2013年01月28日

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2012年12月27日
2012年上半期 読んで面白かった本ベスト10 (下)
2012年12月25日
2012年下半期 読んで面白かった本のベスト10 (上)
2012年12月20日
小説としてはダメ。 だが上海住宅事情ルポとしては一読の価値。
2012年12月15日
電力の化石燃料比が88%にも…。記念シンポジウムで霞むEV車。
2012年12月10日
世の中メガソーラーブーム。それにしても他の自然エネの影の薄さ!!
2012年12月05日
子供の絵本で、こんなに面白い講演集があったとは…
2012年11月30日
ダイキンが「デシカ期待」で、総合力で10位にランキング
2012年11月25日
インターネット、携帯電話時代の、小中学生の想像を絶する「いじめ」
2012年11月21日
訂正
2012年11月20日
家庭用デシカは調湿換気システム (トイレ、浴室は個別・間欠換気)
2012年11月15日
家庭用デシカは135キロ全部がボンネット!!  2012ジャパンホームショー
2012年11月10日
本体価格が軽自動車並みの家庭用デシカ!!  普及へ重い足枷?
2012年11月06日
本格的自然エネの増加は、投機ではなく投資から !!
2012年10月30日
パソコン、携帯電話、スマホが惹き起す精神の病
2012年10月29日
生命を支えるマグネシウム & 長寿の素・タウリン
2012年10月20日
920社も参加した中小企業総合展で発見した3つの新商品
2012年10月15日
訴訟されない政府!!  大手に配慮した省エネ見直し案 (下)
2012年10月10日
訴訟されない政府!!  気密性能を捨てた日本の省エネ基準 (中)
2012年10月05日
訴訟されない政府!!  無責任な住宅政策が今日も跋扈? (上)
2012年09月30日
魁夷が描いたドイツの建築風景と同じアングルの場所を探す旅
2012年09月25日
生命力の強いダチョウの抗体がインフルエンザや花粉症に効く!!
2012年09月20日
さすけ 邸の現場  バルーンフレーミングと金物工法 (下)
2012年09月15日
「さすけ」 邸の現場  石膏ボードに対する哲学 (中)
2012年09月10日
完成間際の 「さすけ」 邸 i-smart の現場を拝見 (上)
2012年09月05日
負債処理に全生命をささげたラストバンカー・西川善文
2012年08月30日
グッドマン社を買収した世界一の空調業者・ダイキンのこれから
2012年08月25日
金子建設のゼロ・エネ住宅報告とスパン7Pのメガビーム
2012年08月20日
2030年に原発比を15%にするのは困難? (下)
2012年08月15日
代替がない!  2030年に原発比を15%にするのは困難? (上)
2012年08月10日
ハイビジョンカメラと宇宙飛行士が捉えたスプライト、オーロラ、流星の謎
2012年08月05日
木質PC版 (CLT) のJAS化が予想以上に早いかも?!
2012年07月30日
再生可能エネ全量買取り制度(FIT)の高価格を白書が指摘
2012年07月25日
椎名誠ものとしてはマジメで面白い「世界の水事情」
2012年07月20日
不燃LVLで、14階建の木造住宅が日本でも可能に !?
2012年07月15日
原発解体ロボット開発の重要性とやっと始まった国民的議論
2012年07月10日
新耐震基準は人命を守るもので財産を守るものではない !!
2012年07月05日
2012年上半期 読んで面白かった本ベスト10 (下)
2012年06月30日
2012年上半期 読んで面白かった本のベスト10 (上)
2012年06月25日
過疎の村の地方公務員に、すごい事業力を持った男がいた
2012年06月20日
三井ホームは2×4住宅 No.1から転落?  一条のイノベーション(下)
2012年06月15日
平均7kW弱の太陽光の搭載率が90%以上  一条のイノベーション(中)
2012年06月10日
ゼロエネルギー・ハウスを8000棟も!  一条のイノベーション(上)
2012年06月05日
東日本大震災で大活躍した数々の医師の記録
2012年05月30日
心が洗われる「アジア写真集」と「単独行での鋭く美しい文章」
2012年05月25日
アメリカ生まれの特殊EPS・外断熱による中高層ビル断熱改修
2012年05月20日
ブータンは何故幸福度が高いのか?  14年前の貴重な記録
2012年05月15日
ハーティホームOB客に対する朗報。3.2万円+出張費でエレメント交換 !
2012年05月13日
省エネのメリットが単にカネだけなら太陽光へ走る ! (下)
2012年04月25日
省エネのメリットが単にカネだけなら太陽光へ走る!! (中)
2012年04月21日
国交省・低炭素化社会へ向けた住宅への新しい工程表
2012年04月20日
省エネのメリットが単にカネだけなら太陽光へ走る!! (上)
2012年04月15日
株主よりも、まず社員や顧客を大切にする会社
2012年04月10日
熱風的なアジアビジネスに、こんなに優れた指針があったとは・・・
2012年04月06日
「入るを量って 出るを制す」 を忘れた税制の悲劇
2012年03月25日
北海道の先進プロジェクトに学ぶシンポジウム
2012年03月20日
「もっと日本の住宅に影を!」 昔から言われてきたことだが・・・
2012年03月15日
136年前にクラーク博士が開校した札幌農学校の建築群
2012年03月11日
防火外断熱の本命・ロックウールの新製品登場と問題点
2012年03月06日
建築・建材展で目に付いた商品群。超満足の光触媒シンポジウム
2012年03月05日
3月23日 (金) に2つのセミナー案内
2012年03月01日
科学者の芥川賞・「ネイチャー」「サイエンス」から学ぶこと
2012年02月28日
訂正
2012年02月26日
早すぎるフラッシュオーバー!?  3階建木造校舎の怪
2012年02月20日
様変わりの木質構造。地場産業の活性化こそ地場ビルダーのチャンス
2012年02月15日
日本の住宅感に根本的な問題を提起している対談
2012年02月10日
レストランチェーンの革命児・正垣泰彦の経営哲学
2012年02月05日
烈震で怖いのは外断熱の剥落より気密性能の喪失 !!
2012年02月02日
先進的な北海道のエコ建築セミナー
2012年01月30日
消費税の前に円高・デフレ対策を!  それには体制維新が!
2012年01月25日
最先端の地球変動学。 地震・CO2を語る前に是非一読を!
2012年01月20日
さようなら「CO2削減」。 こんにちは「ゼロ・エネルギー」
2012年01月15日
Q値の概算は手計算で十分。 燃費計算は全ソフト不完全。
2012年01月10日
地震や津波を警告している地名は全国にある !!
2012年01月05日
中越地震で基礎はほぼ無傷。地盤改良の必要性は・・・
2012年01月01日
ホームページの表紙を変えたわけ ! 是非皆さんのご支援を !
2011年12月28日
2011年下半期 読んで面白かった本のベスト10 (続)
2011年12月25日
2011年下半期 読んで面白かった本のベスト10
2011年12月20日
海藻や魚を育てるのは鉄。 スギを伐り木造住宅を建て、広葉樹の森に ! 
2011年12月15日
家庭用デシカの発売開始が来秋になるのは避けられない
2011年12月10日
メガ・ソーラ前夜  太陽光発電・再生可能エネフェア2011
2011年12月05日
日本人の中国嫌いと在日チャイニーズの実態
2011年11月30日
中国をめぐる7つの疑問。 中国で最も有名な日本人 (下) 
2011年11月29日
究明された福島原発事故原因・・・細野原発相&大前研一の快挙 !
2011年11月25日
胡錦涛主席とメル友?  中国で最も有名な27才の日本人 (上) 
2011年11月16日
欲しい最適η値データと2+1サッシへの名乗り
2011年11月10日
この円高。思い切って日本を出てゆきましょう !?
2011年11月05日
札幌市の3年間で279戸の先導事業の大きな影響
2011年10月30日
消費税だけで財政再建を果たすには5%ではなく50%が必要 ?!
2011年10月25日
住宅業における「訴訟」に対するささやかな経験
2011年10月20日
学術調査書ではなく、インカ自炊旅の貴重な記録
2011年10月17日
訂正
2011年10月15日
東京パッシブハウスの不可解??  計算値ではなく実測データ報告を!!  
2011年10月10日
本当に日本は、全熱交を採用して良いのだろうか ?
2011年10月05日
問題は多いが意欲に圧倒された千里展示場の40坪のQ-0.9Wモデル
2011年09月30日
会場も狭く、目新しいものが少ない中で目についたもの
2011年09月27日
アジアが勃興し、日本企業だけが衰退している
2011年09月25日
これから10年間の日本と中国の近未来を大胆に予測
2011年09月20日
原発のあとにくるエネルギーは太陽光ではない !!
2011年09月15日
0.8W〜1.0Wのサッシとデシカは最新鋭の医療機器
2011年09月10日
i-smart という黒船  一条の泣き所を突く ! (下)
2011年09月07日
2点の訂正と若干の追加
2011年09月05日
i-smart という黒船  主人権の回復 ! (中)
2011年08月31日
東大の「木材産業成長戦略セミナー」
2011年08月30日
一条の i-smart という黒船にどう対処するか!! (上)
2011年08月25日
民主の代表選では、この著のような具体的議論が欲しいのだが・・・
2011年08月20日
一条の床冷房体験記  ベストではないがベター (下)
2011年08月15日
一条の床冷房体験記  ベストではないがベター (上)
2011年08月10日
電子書籍で一番成功した男が語る 「限界とメリット」
2011年08月05日
腸を鍛錬すればメタボにもガンにもならない 新学説
2011年07月30日
日本は「課題解決先進国」になれるという素晴らしい力作
2011年07月25日
断熱防火ウッドサッシの通則認定と個別認定
2011年07月20日
今ほど日本経済の先行きが懸念される時はない (下)
2011年07月15日
今ほど日本経済の先行きが懸念される時はない (上)
2011年07月10日
2度目の安全神話の崩壊 !  だが原発に変わるものは ?
2011年07月06日
あまりにも太陽熱を無視してきた「ニッポン」
2011年06月30日
2011年上半期 読んで面白かった本のベスト10 (続)
2011年06月29日
2011年上半期 読んで面白かった本のベスト10
2011年06月20日
田舎企業をグローバル企業へ  ダイキン井上会長の事業
2011年06月15日
LVLが拓いた木質構造の大きな可能性 !!!
2011年06月10日
間違いだらけの「シロウト経済学」に対する正統派経済学の強烈パンチ
2011年06月05日
とりあえずカタログの一部を紹介  業務用250m3デシカ
2011年05月30日
数十億円の裏金づくりの秘策  その取材力に脱帽
2011年05月25日
道東ハウス  Q値0.47W住宅が坪51万円で出来る秘密 (下)
2011年05月20日
驚異の道東ハウス  Q値0.47W住宅が税込51万円/坪 (上)
2011年05月15日
中国への出店は、新規起業よりも過酷 !!
2011年05月10日
LCCM住宅への疑問  湿度を無視した机上論 (下)
2011年05月05日
LCCM住宅への疑問  意外性なき設備機器 (中)
2011年04月30日
LCCM住宅への疑問  低すぎる耐震性 (上)
2011年04月25日
菅さんで、もう少し我慢すべきでしょうか ?
2011年04月20日
木造耐震 等級3、等級4、等級5の住宅とは? (下)
2011年04月15日
木造耐震 等級1、等級2、等級3、等級4の住宅とは? (上)
2011年04月10日
津波に対する新しい街づくり  一つの提案
2011年04月05日
成城学園に出現した驚きの《木製PC版工法》 (訂正編)
2011年03月30日
死者不明は神戸の4倍以上  津波に対する学習不足
2011年03月25日
「楽観なり日本農業の未来」 永田農法創始者の予言
2011年03月20日
公共建築物を木造にするためのポイント
2011年03月15日
想像を絶する津波災。 震災実態と高性能評価はこれから。
2011年03月10日
建築建材展とライティング展見聞  イノベーションの有無の差
2011年03月05日
開発された国産2×4部材の成果と問題点  林野庁委託事業
2011年02月28日
北海道の技術を東京へ持ってくるだけではダメ !!
2011年02月25日
間伐を容易にする《目からウロコ》2つの試み
2011年02月20日
ハウス・オブ・ザ・イャーの表彰制度改革を !!
2011年02月15日
森からのエネルギー創出  オーストリア・シンポジウム
2011年02月11日
LCCM住宅に疑問あり!  イノベーションを失った住宅・建材業界
2011年02月05日
写真と資料で見る《茨城パッシブハウス》
2011年02月01日
Q値0.69Wで坪62.5万円!!  BIBシステムの衝撃
2011年01月25日
住宅着工減少下の建材高現象 !!
2011年01月20日
地場ビルダーのブログのキーワード?  もっと情報発信を (続)
2011年01月15日
ホームページは最良の営業マン  ビルダーはもっと情報発信を!
2011年01月11日
空調換気で20kWh/uは見えてきた!  家電の見える化が必要
2011年01月05日
暴論? 正論? 「1人に25万円配ってデフレ渦から脱却を!」
2011年01月01日
売上高ではなく35%の粗利で量販店に挑戦  地場電化店の戦略
2011年01月01日
あけましておめでとうございます
posted by uno at 20:59| Comment(0) | 全記事一覧 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年12月27日

2012年上半期 読んで面白かった本ベスト10 (下)


本来だとこの稿は30日に掲載する予定。
しかし、ほとんどの事業所は28日までだと思う。もし本を買われるなら なるべく早く掲載した方がお役に立つ可能が…。 ということで、今回に限り3日早く掲載することにしました。

先週上げた102冊の中から選抜した ベスト10候補作品の■印が48冊。
その中から、勝手に選んだ独善的ベスト10が以下。
いつものことながら写真の写りが悪いのは、ご容赦あれ。

◆10位

ナンイデイ.JPG

かたつむり写真.JPG

企業小説ではなく、「社会派小説」とでも言うべき中から2つ。
「ナインデイズ」 は、「岩手県災害対策本部の闘い」という副題がついているように3.11から9日間の災害対策本部の内幕を見事に描きだした好著。 と言うと これは小説ではなく、県の役人が書いた堅苦しいノンフェクションではないかと考えられがち。 そうではなく、3.11という悲惨な舞台を背景に奮闘した 秋富という救急医の物語。 自費でアメリカ、イギリスのレスキューの実践トレーニングを受けて資格を取り、救急医でありながら県庁の災害対策本部へ潜り込んで、全幅の信頼を得て大活躍した異色作品。(10月12日付、独善的書評364号参照)

「上海、かたつむりの家」は、12月20日のこの欄で紹介済み。残念ながら小説としてイマイチ。上海の住宅事情の掘り下げも不足。そして、後進国のワイロ体質から考えて上海の上級官僚の悪質ぶりも想定内。 だか、一応読んでおくだけの話題性が…。

◆9位

移民の宴.JPG

この作者は、アジアやアフリカなどを旅行して、多くの旅行記を発表している。
そして面白かったのは7年前に出版された「アジア新聞 屋台村」(2011/4/13、週評338号参照)。
今回は、講談社系の月刊誌に12回に亘って、日本へ移民したタイ、イラン、パキスタン、フィリピン、フランス、中国、イスラエル、ブラジル、インド、韓国、スーダンからの、移民者の食生活を取り上げている。 しかし、故国の食事を主とするか、日本化されたものを好むかは個人によって大きな差がある。 そこで各国のコミュニティを訪ね、どのような生活習慣を維持し、どのような平均的な食生活を続けているかをリポートしたもの。 取材中に、3.11事件にぶつかり、多くの移民は故国の家族などからワイノワイノの催促で やむなく帰国。取材が出来ない時もあった。
その中にあって、南三陸に住む15人のフィリピン妻たちのコミュニティは見事。 1人は残念ながら行方不明になったが、誰一人として帰国しなかった。 彼女等は日本やフィリピンよりも、南三陸を故郷として親しみ、愛しているから…。

◆8位 

表紙写真.JPG

この本については、9月5日のこの欄で紹介しているので省略する。(カテゴリの《書評(その他)》から入られたし)
今回は、このブログ欄で取り上げた本でベスト10入りをしたものが、なんと7冊にも及ぶ。それだけ、この欄で紹介する書籍のレベルが、向上した証と言えるのだろうが…。 

この「ザ・ラストバンカー」は、文字通りバンカーのトップとして、その伝記を後世に残す価値ある最後のものになる可能性が高い。 業績不振と社会的な名誉棄損事件。さらにリストラに次ぐリストラの時代を ブレなく生き抜いた貴重なバンカーマンの記録。

◆7位

渚の著書.JPG

これは8月10日に、この欄で紹介済み。
宇宙旅行に行ける人間は、当初は軍人と技術者に限られていた。
日本人の医師として最初に宇宙を経験したのが古川聡氏。 無重力の宇宙から帰還した暫くの間は自分の身体の芯がどこにあるか分からず、フニャフニャの軟体動物化した生々しい体験報告が「宇宙へ出張してきます」(毎日新聞刊) に掲載されている。これほど納得させられた話はない。
そうした医師としての体験談以外に、古川氏は数々の科学的の成果も上げている。 なかでも、地上400キロメートルの世界で、ハイビジョンカメラが捉えた様々な現象の初めての謎解きに参加。 
想い出す度に、今でもワクワクさせられ謎解き。

◆6位 

4093882487[1].jpg

この著作も、9月25日のこの欄で紹介している。
世の中には、発見と発明がある。 今年ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥氏が、皮膚細胞からips 細胞を生成する技術を解明したのが発見。 この発見に基づき、これから ips 細胞を医療の現場で実用化して人々に供して行くのが発明。 
産業界に身を置く人間として必要な能力は、イノベーション力である発明力。 例えばデシカを どのようにして家庭で使いこなしてゆくか という現場での発明力が大きくものを言う。
この著者の塚本氏は、ダチョウの生命力の強さに気付き、偶然にもその卵から大量の抗体が安く作れることを発見した。 それだけではなく、苦心して作った抗体を使ったインフルエンザ用マスクだけでなく、アトピー対策用やニキビ対策用の化粧品など、様々な商品を発明している。 
発見から発明までのベンチャー。 だからこの本はやたらに面白く、身体の芯まで燃えてくる。

◆5位

魁夷の表紙.jpg

この本は、上記のダチョウに続いて9月30日に紹介済み。
東山魁夷のドイツとオーストリアのスケッチ旅行を追い、それぞれの作品がどの位置と どのアングルから捉えた風景かを探ることを目的にした旅行記。 前例を見ない著作。
たまたま4年前に、パッシブハウスの現状を調査するためにドイツとオーストリアを訪れた。
絵心がないので魁夷のようなスケッチは残せなかったが、魁夷の絵をはるかに上回る素晴らしい街並みや美しい住宅の写真は腐るほど撮ってきた。 したがって、魁夷にもう少し建築や住宅の知識があったなら、もっと素晴らしい作品が残せただろうと惜しまれる。
しかし、この本は建築的に見ても面白くて価値がある。 

◆4位 

リベンジ.JPG

ランウェイ.JPG

ロスジェネ.JPG

待合室.JPG

下半期には、私が好きな4人の作家の企業小説がそろい踏み。 そこで、企業小説4点をまとめて4位とした。 
まず、江上剛の「リベンジ・ホテル」。 主人公々今までのようなベテランの経済人ではない。 主役は東京の2.5流大学を卒業した社会人一年生。卒業はしたけど極端な就職氷河期。200社ぐらい応募したが内定は一つもなし。やっと郊外のちっぽけなホテルに就職が決まったが、入社式もなし。最近数年間に新卒を採用したことのない斜陽企業。救いは年老いた社長に変わって若い孫娘が社長に就任したこと。 新人ながら宿泊客のため渾身のサービスに勤め、ニーズを取り上げて女子のランチ会を計画したり、空いている宴会場を地元の同好会に貸したりしているうちに、地元の支援を得て最大の難局を突破するヒヨコ企業家の物語。気負いもなく、淡々と読ませてくれるのがよい。

幸田真音の「ランウェイ」。 この物語の主人公は女性。ファッション業界のバイヤーの世界に飛び込んだ。だが、元々は男の世界だっただけに一刻の平穏も訪れない。 妬みや陰謀が渦巻いている。 しかし、ミラノ、パリ、ニューヨークなどを訪れているうちに、次第に実力を付けてくる。 だが、ファッション界の執拗な女性の争い耐えられず、アメリカに渡って細々と仕事を始める。そして、バイヤーの世界ではなく、女性衣装のデザイン開発の分野に活路を拓いてゆく。
華やかなファッション産業界の舞台裏を眺めながら、女性企業家の成長が楽しめる好著。

池井戸潤の「ロスジェネの逆襲」。 親会社の東京中央銀行の子会社のセントラル証券は、鳴かず飛ばず。誰もが早く銀行へ戻りたいと画策を始めて足の引っ張り合いばかり。 そんなセントラル証券に、IT関連の電脳社の社長から ライバル社の買収話が持ちかけられる。久しぶりの儲け話に会社は沸き立つ。ところが、いつの間にか親会社の銀行が、その仕事の横取りを画策していることが発覚。主人公の半沢部長はロスジェネの若い部下と組んで、なぜ電脳社が最初にセントラルへ話を持ちこんだのかという裏を探って行く。そして、電脳社の陰謀を暴き、銀行とライバル社を助ける。「客のためではなく、自分のために仕事をすると 人と組織が腐る」ことを実証する小説。

江波戸哲夫の「定年待合室」。 妻のガンを知って大手百貨店を早期退職した主人公。妻に先立たれて生きる望みを失った。 その時、行きつけの安バーのママさんから、今までの経験を活かして、「お世話人」「解決人」になったら、と言われて目覚める。さっそく、「百貨店から大口の記念品の注文があったのがキャンセルになった。なんとかならないか」との相談が持ち込まれた。今まで構築したいろんなツテを辿ってゆくと、解決の方法が見つかった。そのほかに、自動車販売店から売上回収の相談。売れ残りマンションの処分。買物難民が困窮している難問を、定年退職のグループが次々に解決してゆく。少し話が甘すぎるとは思うが、元気がもらえる著。

◆3位

あの日建築.JPG

宣言しているように、私が日本で一番尊敬している建築家は伊東豊雄氏と隈研吾氏。
とくに3.11以降の伊東氏の行動は、尊敬に値する。
「建築家は今のままで良いのか。 建築家に何が出来るのか」 という大テーマを掲げて東北の各地を訪れ、避難所や仮設住宅はもとより、公聴会で真剣に本音を探る行動を続けた唯一の建築家。
この著書では、氏がアドバイザーとして釜石市に提案した斜面地型集合住宅や、中央にコミュニティ広場を持った合掌造型の集合住宅が紹介されている。 平地が少なく、急峻な山が迫っている釜石には、大都市型の集合住宅は相応しくない。
さらに、仙台・宮城野区と釜石・平田地区での「みんなの家」の建築実例。さらには、ヴェネチア国際建築展と同時進行で金獅子賞をとった陸前高田の「みんなの家」や、仮想商店街、ラグビースタジアム構想など、具体的な提案がなされている。
一方、戦後のデモクラシー時代には建築家と社会との融和があったが、最近は社会から建築家が期待されない存在になってきている。その背景の分析もしっかり行っていて、納得させられる。
それと、氏が昨年5月に開校して力を入れている伊東建築塾。 土曜日に各界の講師からレクチュアーを受ける講座A。 専門家対象の講座B。 小学校高学年を対象にした講座C。
いずれも頭でっかちな人間を育てるのではなく、東北の被災地や今治のアートミュージアムでの現場実践を踏まえた上での人づくりの実態報告。
全体の完成度はまだまだ低いが、氏の意欲には圧倒される。

◆2位
 
震える学校.JPG

これも、11月25日に紹介している。
この本を読むまでは、インターネットや携帯電話の普及が、これほどまで子供たちの人間関係、信頼関係を破壊しているとは知らなかった。
たしかに、大人の社会でも2チャンネルとか各社の書き込み欄を見ると、匿名を良いことにして悪口の書き放題が目に付く。 そんな欄を見ているとヘドが出るので私はなるべく避けている。
たしかに、私も国交省や大手プレハブメーカーの悪口を何回も書いている。
しかし、あくまでも名前を出しての悪口。 匿名での言いたい放題、書きたい放題ではない。
悪口を書けば、その分返り血が身に降りかかってくる。それを覚悟しての年配者の戯言にすぎないが、それなりに勇気を持たないと出来ない発言。 本来、発言とはかくあるべき。

ところが、匿名だと自制心が失われ、何を書いても咎められないのでエスカレートする。
しかし、2チャンネルなどで匿名のターゲットになるのは著名人か企業。
ある程度は、「有名税」 と言うことで我慢すべきかもしれない。
ところが、子供のネットや携帯の匿名の対象になるのは、あくまでも仲間であり、時には先生がターゲットに。
面と向かっては何も言わないが、匿名だとあることないこと、好き勝手なことが書き込める。
そして、発言に対しては一切責任が問われない。
このため、子供たちは、いくら親しい仲間であっても決して本音は晒さないと言う。どんなに親しげに振舞っていても、うっかり本音を言うと、何時書きこまれるかわかったものではない。
このため、人と人、心と心の繋がりを子供たちは結べなくなってきているという。
そんな、恐ろしい実態を知らせてくれた貴重な書。

◆1位 

巨大地震.JPG

今回は、文句なくこの著作をトップとしたい。
3.11で、日本国民からの信頼を完全に落としたものの代表が原子力関係の学者先生。
ついで危機対応力が全く欠けていた政治家と経済産業省のお役人、東京電力の幹部がある。 かつての銀行と一緒で、誰も彼らの言うことを信用しなくなった。
それと、もう一つ忘れてはならないものに東大を中心とする地震学会の信用失墜がある。
地震は予測出来るという仮定のもとに、厖大な国費を湯水のように使ってきた。
明日にでも起こる確率が高いと喧伝された東南海地震。 その発生は完全に予測出来ると断言。
学界の権威が集まって会議を開き、総理大臣を中心とする緊急対策会議が開かれ、事前に対策がとられ、被害は最小限に抑えられる。この平成のイソップ物語を愚かにも信じさせられてきた。
ところが、権威があるはずの地震学会は、震度7の直下型の阪神淡路大震災や中越地震に対しては、何一つ予知出来なかった。
そして、マグネチュード9.0という未曽有の3.11に対して、学会は全く無能のデクノボウ。
「こんな地震学会など いらない!!」 多くの国民が腹の底で叫んだ。 それに、原発立地に対する甘すぎた過去の意見具申に対する怒り。ついでに国交省べったりの建築学会に対する怒り。

その中にあって、阪神淡路、中越地震を予測しただけでなく、07年の太平洋学術会議で、古川雅英、小川進氏とともに「2010年頃までに、M8以上の巨大地震が東北太平洋沖で起こる可能性が非常に高い」と問題を提起したのが筆者。実際の発生は筆者の指摘から3ヶ月遅れだったが、政府がこの提起を真剣に取り上げていたら、被害は半分以下で済んでいたであろう。
氏の5段階に及ぶ地震予知の方法には説得力がある。 そして、日本列島の何ヶ所かでの巨大地震の発生を予言している。 私はどこまでも素人。しかし地震予知で、これほどまで具体的で、かつ説得力を持った著書に出会ったのは初めて。 一読の価値があると断言したい。


















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2012年12月25日

2012年下半期 読んで面白かった本のベスト10 (上)


恒例・独善的面白本のベスト10。
現役時代に、きちんとした情報が欲しいために暇があると書店へ行った。
しかし、あまりにも多くの本が出版されており、いつも戸惑った。せいぜい読めるのは年間100冊。何万冊の中から100冊に絞るのが容易ではない。そして、読むべき多くの情報を見逃した。
その経験から、現役で経済活動をやっている皆さんに、なるべく必要な本を選びやすいようにという目的でこの欄を開設。
しかし、私の関心や好みは皆さんとは違う。どこまでも独善的。 また、いろんな書評にも目を通すようにしているが、見逃している好著も多い。 ただ、出来るだけ広い範囲を網羅して、皆さんが選択する場合にお役に立ちたいと考えているのだが…。

下半期に読んだ冊数は424冊。ちょっと読み過ぎ。
さて、この中で一次審査をパスした本は102冊と上期に比べると2割減。
これは、今まで30冊近くノミネートしていた経済・経営・政治が17冊。 環境・農林水産・食料・医療が13冊と大幅に減ったため。
逆に増えたのが科学・技術・教育が5割増の22冊。この欄からベスト10入りしたのが4冊もあり、充実していた。
次いで小説が前期の13冊から20冊に躍進。私の好きな企業小説に面白いものが揃っていたし、古い企業小説を意識的に探したら この数字になった。
また、不作が続いていた住宅・建築も前期の11冊から15冊へ。 しかし、ベスト10入りをしたのはたった1冊だけ。豊作というには ほど遠い。

この一次審査を通った102冊の中で、前々回からベスト10入り候補作品には■印をつけることにしている。 この方が、10冊ではなく気に入った本が48冊もあると分かり、参考にしていただける範囲が拡がるから。
△印は、1年以上前に出版された著書。


【環境・農業・食品・医療】 13冊
・わが家のエネルギー自給作戦                枝廣淳子 エネフォーラム新書
・生物の多様性を考える                     池田清彦   中公新社
■女性のいない世界                   マーラ・ヴィステンドール 講談社
・大人になった虫とり少年                    宮沢輝夫    朝日出版
■命を燃やせ                             吉岡秀人 講談社
■50と呼ばれたトキ                        小野智美  羽島書店
■ロラン島のエコチャレンジ                  北村朋子    野草社
■世界一長寿な都市はどこにある?            家森幸男     岩波書店 
・極みのローカルグルメ旅                    柏井 壽   光文社新書
・あかちゃんのママが本当の気持ちを喋ったら?        ナオミ・スタドレン ポプラ社
■ボクらのエネルギーって、どうなるの!?            岸田一隆 エクスナレッジ    
△ハチはなぜ大量死したのか              ローワン・ジェイコブセン 文春文庫
■△生きもの豊かな自然耕                      岩澤信夫  創森社


【技術・科学・教育】  22冊
・災害とロボット                       井上猛雄  オーム社
・宇宙へ「出張」してきます                古川 聡    毎日新聞社
・IDの秘密                          佐藤一郎 丸善ライブラリ 
・ゼロから見直すエネルギー              化学工業会緊急提言委員会 丸善出版
■宇宙の渚  上空4000km              NHK取材班  NHK出版
・図解 新エネルギー                  大和総研調査部 アスキーメディア
・光触媒の基本と仕組み                   指宿堯嗣   秀和システム
■地熱エネルギー                        江原幸雄   オーム社
・東京で地熱発電                        清水政彦   並木書店
・金メダルの遺伝子を探せ                  善家 賢   角川文庫
■ダチョウの卵で、人類を救います           塚本康浩    小学館
・現代科学の大発明・大発見                大宮信光   ソフトバンク
■毒になるテクノロジー iDisorder        ラリー・ローゼン他  東洋経済
■巨大地震は連鎖する                    木村政昭  角川学芸出版
■ナビゲーション 位置情報が世界を変える       山本 昇  集英社新書
・教育の豊かさ、学校のチカラ               瀬川正仁  岩波新書
・とことんやさしいレアアースの本             藤田和男監修  日刊工業
■震える学校                           山脇由貴子 ポプラ社
・ウナギの博物誌                        黒木真理  化学同人
■大学教授という仕事                     杉原厚吉   水曜社
■検索エンジンに上位表示する法             宮崎敬士  東京図書出版
・本当に怖い電磁波の話                植田武智・加藤やすこ  金曜日


【経営・経済・政治】  17冊
・オリンパス症候群                 チームFACTA   平凡社
・戦後復興秘話 世銀に学ぶ日本再生      太田康夫ほか   日経出版
・未知なるミャンマー                    春日孝之   毎日新聞                
・自 由                      アウンサン・スーチー  角川文庫
■ザ・ラストバンカー                     西川善文   講談社
・新聞・テレビが伝えなかった北朝鮮         小倉紀蔵編   角川書店
・現代がトヨタを越えるとき             小林英夫・金英善  ちくま新書
■サムライと愚か者 暗闘のオリンパス事件      山口義正   講談社
・原発と日本はこうなる                  河野太郎   講談社
・原発も温暖化もない未来を創る           平田仁子   コモンズ
・市民がつくった電力会社                田口理穂   大月書店
・司法殺人                          森  炎  講談社
■MIT メディア ラボ                フランク・モス   早川書店
■最もリアルなアメリカ入門             原田武夫    かんき出版
■2050 老人大国の現実              小笠原康、渡辺智之  東洋経済
・マグロ船で学んだ ダメな自分の活し方     齊藤正明   学研
■△ヤマダ電機の暴走                    立石泰則   草思社
           

【小説】  20冊
■ランウェイ                       幸田真音   集英社
■うま味を発見した男・小説池田菊苗      上山明博   PHP研
・シャイン                         原 宏一   集英社文庫
■定年待合室                       江波戸哲夫   潮出版
・震災キャラバン                    高嶋哲夫   集英社文庫
■ナインデイズ・岩手県災害対策本部の闘い   河原れん  幻冬社
■リベンジ・ホテル                   江上 剛   講談社文庫
■ロスジェネの逆襲                  池井戸潤  ダイヤモンド
■上海、かたつむりの家                六  六   プレジデント
△美味しいんぼ探偵局                 雁屋 哲   角川文庫
△月華の銀橋                        高任和夫  講談社
△星雲の梯                          高任和夫  講談社
■△ゼフィラム                        楡 周平  朝日新聞出版
■△やっさん                         原 宏一   双葉社
■△再起・総会屋勇次                   江上 剛   講談社文庫
■△希望退職者を募る                   江波戸哲夫  講談社文庫
■△不祥事                          江波戸哲夫  講談社文庫
■△偽造証券                        幸田真音   新潮文庫
■△虚構金融                        高嶋哲夫   文春文庫
■△日々これ夢・小説小林一三           邦光史郎   集英社文庫


【ノンフィクション・旅行】 15冊
■シニアネット・やってみっか            荒明成忠    幻冬舎
・真相開封                          文春編集部編  文春文庫
・0点主義                         荒俣 宏   講談社                  
■東山魁夷と旅するドイツ、オーストリア       松本 猛   日経出版
・Google Earthでゆく火星旅行           後藤和久、小松吾郎  岩波書店
・サンディアゴ巡礼へ行こう!               中谷光月子   彩流社
■移民の宴                         高野秀行   講談社
△日本美術観光団            赤瀬川原平、山下裕二   朝日新聞
△雲の上で暮らす                    山本紀夫  ナカニシヤ出版
△中卒の組立工、NYの億万長者になる       大根田勝美   角川書店
△アマゾン源流生活                  高野 潤   平凡社
△日本の島で驚いた               カベルナリア吉田   交通新聞
■△農家の嫁の事件簿                三上亜希子   小学館
■△暮らしてみたら魔法の里            つるたとよ子   恒文社
■△絵本たんけん隊                  椎名 誠    角川文庫


【建築・住宅】 15冊
■大震災で住宅ローンはどうなるの          島本慈子   筑摩書店
・建築と言葉                     小池昌代、塚本由晴   河出書房
・間取りにこだわればいい住宅になる        上田康允   ナツメ社
■世界の民家園                       岩本 章   鹿島出版
・決定版2×4材木工                       学研パブリッシング
■21世紀の名建築1088             ファイドン・アトラス  エクスナレッジ
■ゼロエネルギー住宅とパッシブハウス    新住宅ジャーナル編  エルエル出版
■あの日からの建築                    伊東豊雄  集英社新書
・耐震、制震、免震の科学              高層住宅研究会  日刊工業新聞
・地震による液状化とその対策            液状化研究会   オーム社
・東京高級住宅地探訪                  三浦 展   晶文社
・家を建てるときに一番大切なこと          森下誉樹   ダイヤモンド社
△奇跡の団地  阿佐ヶ谷住宅            三浦 展他   王国社
△イギリスの田舎のホテル              旅名人ブックス  日経BP
■△建築史的モンダイ                   藤森照信   ちくま新書

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