2011年01月15日

ホームページは最良の営業マン  ビルダーはもっと情報発信を!


私の「写真で見る略歴」によると、「ハーティホームのホームページにアクセスしてくれる人が、日に100人を超えたのは2001年」 とある。
ホームページを立ち上げたのはその3年前の1998年。
その前年に、「ホームページを立ち上げたいと思うが・・・」 と社内に諮ったが、反応がすこぶる鈍かった。
「またまた専務の、いつもの新しいもの好きが始まった。 やりたかったらお一人でどうぞ・・・」 という態度。
新しい会社を興して1年余。
伸るか反るかの忙しい現場を抱えている社員にとっては、「成果が出るかどうかわからないホームページなどに係わっている暇はない」 というのが正直なとこだったろう。
したがって、一人でコツコツ準備を始めるしかなかった。

最初にやったことは、当然のことながら同業他社のホームページの調査。
とくにツーバイフォー各社は、大手、中堅、中小企業を含めて徹底的に調べさせてもらった。つまりヒントを盗ませてもらおうとした。
ところが三井ホームをはじめ各社のホームページは、会社案内と総合カタログをネット上に並べただけ。
一度開けば、内容が全部分かってしまう。
毎週どころか月に1回も開く必要がない。年に1回で十分。
当時はどの会社も、ブームに煽られてホームページを立ち上げたが、それが受注面で威力を発揮してくれるものだとは、考えていなかった。
「外注でカッコいいホームページを作れば、それで事足りる」 と。
こんなありさまだから他社からは盗むものが無い、 ということが判明。

しからば、毎日はムリとして、週に1回は訪れたいと消費者が感じるホームページとはどんなものか?
ツンととりすましたホームページではなく、誰でもが気楽に訪ねてみたくなるビルダーのホームページはどうあればいいのか?
各社のホームページを見ていて、1つだけ採用したいものがあった。
それは三菱地所ホームの入居者の感想欄。
どの会社も、感想を述べているのは多くて4家族か5家族。これに対して地所ホームは20世帯以上を網羅していた。
「よし。ハーティホームは全施主を対象に、300以上の体験談を掲載しょうと」 と即決。
そして毎週1回、必ず新しい施主の「生の声」を収録するコーナーを設けた。
これは難しいことではなかった。なぜなら、すでに入居して1年以上たった全ての入居者の声を、毎月発行するDMの 「ハーティ通信」 に数家族ずつ掲載していたから。

何故、入居後1年以上たった施主を対象としたかと言うと、R-2000住宅というのは全く新しい性能を持った住宅。最低1年以上の入居経験がないと、使い勝手が身に付かない。
本当の良い点と悪い点が理解出来ない。
つまり、1ヶ月や2ヶ月の体験では真実を伝えることが出来ない。
最低1年間の、実体験の感動や失敗談、問題になった点の抽出こそが企業にとっても他の施主にとっても参考になる。
「ホームページそのものを、カッコよいプラスの面だけのものにしてはならない。マイナス情報を積極的に、オープンに公開する場にしょう。これこそが他社にない当社のオリジナル。そうすることで信頼が増し、再訪したくなるのではなかろうか」。
何事もオープン! 
これでホームページのヘソが固まった。

会社のポリシー、商品の内容と体系、技術体系とその詳細内容については、毎週変えられるものではない。
年に一度の見直しでよい。
となると「入居者の実体験感想」以外で、毎週収録出来るものとしてどんなものが考えられるか・・・。
すぐに、「入居者並びに契約予定者からのQ&A」 が浮かんだ。 
電話や打ち合わせ中に出された質問や疑問も含めてのQ&A欄を、即座に設置した。
だが、これだけでは足りない。

何でもトライしてみようと生み出したのが、「多摩のB級ランチグルメ案内」。
いまでこそB級グルメという言葉が氾濫しているが、最初にランチに限定してB級という言葉を使ったのは、自慢ではないがハーティホーム。
1999年から、重要な用事がないかぎり昼には車を飛ばし、自腹で片っ端からラーメン店、うどん・ソバ店、回転寿司を中心とした寿司店、イタリアンやフレンチのレストラン、カレー屋、食堂などを漁りまわった。
地元の人々はファミレス事情には明るいが、それ以外の店舗の情報は比較的暗い。
休日に家族で出かける折の参考になればいい。話題づくりの一つになればいい。
本や雑誌やネットだけではなく、施主からも情報を集めた。
そして気がついたのは、「多摩のラーメン店」などの本を読むと、どうしても広告を出してくれる店に遠慮があり、「美味しい」ことしか書いてない。「不味い」はない。
残念ながら私は舌が肥えておらず食通とは言えない。だが「不味い」は言える。それをオープンに書こうと意気込んだ。だが、これは見事に失敗。
施主が紹介してくれた中には不味い店もあり、食べ歩いた半分以上がそんな店だった。このため不味い店は取り上げずに[没]にするしかなかった。 
したがって、記載したのは一定以上の味の店ばかり。
そして、1年余の間に100店以上の店を地図入りで紹介。
しかし、この欄はアクセスの増加には繋がったが、どれだけ営業面で実効があったかは定かでない。 費用対効果の面で疑問符が付くが、私個人としては十二分に楽しんだ。

この外に、設計士ごとのホームページを、試験的に立ち上げた。
これは入居後1年を待たず、完成すれば即施主の要望事項と設計者の意図を入れ、完成写真を掲載するというスタイル。
どの設計士が、どんな仕事をしているかを知ってもらうため。
実は、ハーティホームを創業する前の会社では、出来の悪い営業マンの「言った」「言わない」というクレームの多発に泣かされてきた。したがって、ハーティホームでは一切営業マンを置かず、設計士に営業の第一線に立ってもらうことにした。
建築設計事務所の所長は、率先して接客し、営業活動を行っている。
ローンとか登記、税金などの勉強さえすれば、設計士は立派な営業マンになれる。
いや、展示場という場を貸すから、各設計士は営業マンではなく、それぞれが個人設計事務所の所長としての自発的に振舞って欲しい。
そうすれば、単なるサラリーマンとしてではなく、将来は設計事務所長として収入を確保出来る可能性がある。

そしてハーティホームの本体は、開発と施工に特化してゆく。
大手メーカーの施工代理店制度では、R-2000住宅すら消化出来ないでいる。
開発力を持った超高気密高断熱の施工チームは、それだけで十分に存在価値がある。
各設計士がクレームに悩まされることなく前向きに仕事に集中出来るようにする。
それには工事の施工精度を高め、R-2000住宅にとどまらず、その先の技術開発と施工力を開発する本部機能が不可欠。
そのために、監督ごとのホームページも立ち上げてゆく必要があることを痛感した。
担当している施主ごとの工事日誌欄を設け、どんな仕事をどんな考えでやっているか。デーリーの工事情報をオープンに発信してゆく。
施主はホームページを見れば、その日の工事の進捗状況が分かる。
職人はそれを見れば作業予定を自動的に立てることが出来る・・・。
デジカメが普及している現在ではこれが可能。 だが当時はデジカメと言う武器がなかったので、この構想をまとめるまでには到らなかった。

ホームページを充足してゆくと、最終的には住宅会社の経営形態はこのようになる。
そして、この考えは今でも通用する一つの形態だと確信している。
ただし、コンピューターを扱えない高齢の施主には、これだけでは対応できない。
やはり訪問して、きめ細かいサービスを伴わねばならない。
ホットな会話による人間関係を、中心に据えなければならない。
それは、それぞれの長とトップの仕事。若い設計士に求めると、大きな負担になる。

この構想の半分以上がなんとか機能をしはじめて、2001年には日に100人の人々からアクセスがいただけるようになった。
大手ゼネコンで構造設計を行っている見込み客から、「貴社のホームページを全てプリントアウトしたら、こんなに分厚いものになった」 と2センチ以上にもなる書類の綴じ込みを見せられたことがある。
こうしたホームページの賑わいもあって新会社は完全に軌道に乗ることが出来た。
面白いように利益が出始めた。
もちろん、ホームページを如何に充実しても、実態がしっかりしていない限り企業は伸びられない。まず堅実な実態があって、それをホーローするホームページが初めて元気に機能する。
しかし、親会社は古い経営の尺度しか持っていなかった。
ハーティホームが開発したノウハウの伝承こそが、経営のポイントだということをいくら力説しても理解してくれなかった。
つまり、親会社のホームページがそれほど機能しておらず、ハーティホームのホームページが持つ機能と意義が評価出来なかったということ。
そして、ソフトなノウハウを伝承出来る適任者を脇に追いやり、住宅業のソフトの価値が分からない者を、本社の順送り人事で後釜に据えた。
そのため、伸び盛りの優良企業があっという間に債務超過に陥り、ご存じの通り2年後には店を畳むという哀しい事態に・・・。

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山本敏行著 「日本でいちばん社員満足度が高い会社の非常識な働き方」 (ソフトバンククリエテブ 1400円+税)

著者はECスタジオというIT関連会社の社長。
仕事の内容はウェブサイトでアクセス数が少ない中小企業に、安い価格で検索エンジンの登録代行を行ない、アクセス数が増えるように支援している会社。社員は40人以下。
著者はIT関係のトップだというのに、「ワードもエクセルもろくに使えない」 と公言している。これはある意味では立派。
もともと格闘技の体育会系。 したがってITには疎かった。
ただ、弟がインターネットのゲームで、世界の人と仲良くなり戦っているのを高校時代に目撃して衝撃を受け、2000年にECスタジオを設立。
いろいろ曲折があったが2004年には顧客数が1000社を超えるようになり、オフィスを構えて法人登記を行っている。
仕事が増加するので人を採用するのだが、次々に辞めて行く。
どうしてよいか分からなくなり、1000人の経営者に教えを請うて回った。
その結果分かったことは、成功している会社の経営者は自分の会社や社員のことを楽しそうに話す。誰も社員の愚痴や不満を言わない。社員のために時間を使って実に社員のことをよく知っている。
つまり、社長は社員のことを第一義に考えている。 それを見て、目から鱗が落ちた。

「社員が満足していない会社は、顧客を満足させられる訳がない」というポリシーで、それまでの経営を一新。
そしたら社員のモチベーションが高くなり、リンク&モチベーション社の組織診断で、
「2年連続、日本一社員満足度の高い会社」 と認定された。
この著は、その過程が面白い。
「会社が絶対にやってはいけないことの14ヶ条」 なるものを掲げている。
その中には、株式は公開しない。他人資本は入れない。特定の組織に所属しない。社員を首にしない。売上高には固持せず会社の規模は大きくしない。などがある。
それでいて全社員が10連休を年に4回も取れ、売り上げが毎年140〜200%伸びているというからびっくりする。

しかし今回は、その経営内容を紹介することが目的ではない。
中小企業のIT支援目的という仕事の中で、非常に大切なポイントを教えてくれている。
残念ながら、その全てを私自身が活用したことがない。だから書かれている内容の半分しか取り上げることが出来ない。
私が強く印象を受けた2、3点に絞って紹介したい。

まず、「情報というのは発信すればするほど、それに比例して情報が入ってくる」 という基本原則。
この法則は、新聞記者をやっていた時に気がついた。こちらから情報を発信し、与えない限り絶対に必要な情報は集まらなかった。情報と言うのはどこまでも、「ギブ&テーク」の関係。「ギブ」 なくして 「テーク」 なし。
それを著者は、「自分が持っている情報を出し切ると、乾いたスポンジのような状態になる。そうなると新しい情報の吸収力が増す。おカネやモノと違って情報はいくら出しても減らない。逆に出せば出すほど入ってくる」 
これは明言。このことをビルダーのトップは常に心がけて欲しい。

次は、ウェブサイトは24時間働く営業マンだということ。
営業マンは人間。通勤時間もあれば食ったり寝たり、家族との団らん時間も必要。目一杯働いても日に13時間ぐらいが限度。
ところが、ホームページはコンビニと一緒で365日、盆も正月もなく年中無休の24時間営業。
お客がその気になれば、いつでも訪れることが出来る。気ままなお客の行動にネットは嫌な顔をせず対応してくれる。
したがってネットは最強の営業マン。
ところが、私のホームページでリンクしているビルダーで、比較的頻繁に書き込みを行なっているのは岡本建設の修専務のブログ程度。 
ほとんどのトップや営業、技術の長はサボっている。
ネットの営業活動は、営業マンが行うものではない。中小ビルダーの場合はトップがやるべきもの。そのネット上の営業活動がゼロという企業が多すぎる。

次は、ウェブは中小企業が大手企業と戦える唯一のメディアだということ。
これこそが、ウェブの最大の武器。
トップがブログを書き、ホームページの更新することが苦手なら、出来る若い人か能力のある奥さんを雇ってやってもらえばいい。トップが話したことを文章化してもらえばよい。
報酬は月7〜8万円で、隔日出勤で、日に4時間勤務で、残った業務は自宅に持って帰ってやってもらってよい。時給1000円余で、きちんとやってくれる経験と能力を持った育児のため一時リタイア中の奥さんは必ずいる。
そうした人材を真剣に探さず、唯一の武器を使わずに放置しておいて、仕事が少なくなったと政府を恨んでも、誰も同情はしてくれない。

次は、ブログの記事を継続的に投稿して、キーワードの網をクモの巣のように張ること。
この項目は、私にとっても文字通り「目からウロコ」であった。
調べたら、大変興味のあることが次々に判明してきた。
紙数がはるかにオーバーしたので、この問題は次回に取り上げたい。



posted by uno at 07:29| Comment(0) | 経営・ビルダー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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