2011年03月15日

想像を絶する津波災。 震災実態と高性能評価はこれから。


海中で起こった観測史上最大のマグニチュード9.0という地震。
この影響で大きな津波が起きた。
しかも、最初は7.9という発表だったので、大変なことだとは思ったが、津波の高さは3メートルくらいと判断した人も多かったと思う。
決して気象庁を責めるわけではないが、最初から 「空前のマグニチュード 9.0」 という発表があり、「10メートル以上の津波の来襲が予想される。何はさておいても高台へ逃げて下さい」 との放送があったら、もっと被害は少なくて済んだであろう。
初動の躓きが悔やまれる。

私たち住宅屋は、津波に対して発言権を持っていない。
個人的には、「こんな無防備ではダメだ」 と感じていた。
十数年以内に、6メートル級の津波が必ず襲ってくる。
海岸沿いの原発では、当然のことながら万全な検討のもとに、万全な対策をとっているだろうと考えていた。
しかしそうした施設以外は、今から防波堤の建築は間に合わないだろうから、逃げる場所は周知徹底しておくべきと素人ながら考えた。
もちろん、その準備をしていた自治体も多かった。
そして救援の手は遅れたが、中層RC造や高台に避難して、救われた命も多かった。
この度の自衛隊をはじめとした救援隊の献身的な活躍には、頭が下がる。
また、福島原発で、命をかけて被害を最小限に食い止めるべく努力している東電の技術者をはじめとして多くの関係者の頑張りに、心から感謝しています。

私だけでなく、皆が怒っているのは東電のトップをはじめとした経営陣のだらしなさ。
危機管理に対するあまりにも無責任な態度。
日経の記事にあるとおり、決定がモタモタし、しかも被災地に対する配慮の足りない一方的な命令に対して、消費者の怒りが大噴出。
これには、菅総理の危機管理力の弱体さも問われている。
だが、そんなことよりも、津波被害の実態は想像以上で、あまりにも痛ましい。
衷心より哀悼を申しあげます。

そして、これはどこまでも仮定の話。
もし津波の被害がなかったとしたら、耐震被害そのものはどれぐらいだったかと考えるのが、私たち住宅屋の仕事。
震源地が直下でなかったので、震度という面では神戸や中越地震に比べると、それほど大きなものではなかった。
新聞に掲載されていた震度は下記。
・震度7強   栗原市
・震度6強   仙台市
         日立市
         宇都宮市
・震度6弱   伊達市
         水戸市
・震度5強   八戸市
         盛岡市
         秋田市
         福島市
         千葉市
         東京都
         横浜市
・震度5弱   青森市

この中で、震度7の栗原市の被害が気になる。
かなりの方が避難所へ避難されているようだが、実態の報告は受けていない。
宮城県下では5人の仲間にメールを入れているが、未だに返事がいただけない。
停電が続いているし、顧客への対応で忙殺されているのだと思う。
とくに気仙沼市と栗原市が気になるが、地場ビルダーの足手まといになることは避けたい。
仙台駅の構内はメチャメチャにやられている。
それから推測すると、栗原市での古い建築物は、相当痛んでいると推測する。
何としてでも見に行きたいが、救援活動の妨害になるので自重。
しかし、津波災を除いた震災そのものの被害は、神戸や中越の1/10で済んでいると思う。

今度の地震で、震度が6強以上だったのが栗原市、仙台市以外では日立市と宇都宮市。
意外に感じるが、福島市は千葉市、東京都、横浜市と同じ5強に過ぎない。
これは、三陸沖の地震に即発されて、仙台沖、茨城沖のより陸地に近い地盤が連鎖的に崩れたせいであろう。

日立市に隣接する施主から一昨夜遅く、電気が復活したのでメールが入った。
地震かあった日の夜、電車が止まったので職場の同僚数名が帰宅出来ず、施主邸に泊まった。
もちろんライフラインはアウトになったので、入浴も出来ず、調理もままならない。
もちろんセントラルヒーテングは止まったまま。
電気は、11日の14:46から2日半止まったままだったが、大勢の人からの内部発熱ということもあって、室温は17℃を下回ることがなかったという。
この施主邸のQ値は0.9W。
この性能だと2日半の停電でも、茨城だと17℃前後をキープしてくれることを証明してくれた。
これは、非常に貴重なデータ。

確かに、命があってのものだね。
家を失った人とか、避難所の人々のことを考えると、寒さぐらいは我慢すべきだという考えもある。
しかし、震度7ではびくともしない耐震性と防火性。
それで停電が3日続いても、室温が15℃以下には下がらない住宅づくり。
これこそが地場ビルダーが目指さねばならない絶対的な条件。

仙台から岩手にかけては、Q値が1.0Wを上回る住宅が多くなったので、その性能を停電の中で実証出来る絶好のチャンスなのだが・・・。
しかし、あまりにも津波災害がひどすぎて、そのことを大声で話すことがはばかられる。
目的を強調すると、非人間と罵られかねない。
だが、この悲劇の中でも、事実を探る使命がビルダーにはある。

いずれにしろ、東北関東大震災による木造住宅の震災度と高性能住宅の実証という仕事は、これからという段階。
地味な仕事だが、仲間の協力を得てまとめたい。



posted by uno at 23:30| Comment(0) | 半年間の面白本ベスト | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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