2011年09月10日

i-smart という黒船  一条の泣き所を突く ! (下)


商売の基本は変わらない。
競合している場合は、相手の強み……つまり相手の土俵で相撲をとってはならない。

一条の強みとは何か ?
まず、Q値が0.82Wという暖房性能値。これは、
(1) 14cmのEPSの充填断熱材+5cmのEPSの外断熱の外壁のU値から1/3は得られている。
(2) は90%の熱回収をするロスガード換気から得られていたが、長府製作所の冷水床冷房+デシカ換気に変わって、i-cube の0.76Wから i-smart の0.82Wと、0.06W低くなった。しかし、1/3の比重を占めていることは変わらない。
(3) 残りの1/3の比重を占めているのが開口部。
同社のサッシは、PVCのペアガラスのLow-E。アルゴンガスが入ってもU値はせいぜい1.5W程度。それほど自慢出来る性能ではない。
ところが、同社はアメリカの会社から特許を買って、ダブルハニカムのハニカムシェードをフィリッピンのHRDで自社生産している。したがって積水化学から買うよりははるかに安い。これを、浴室を除く全ての窓に断熱レール付きで標準仕様に。
日本の新省エネ基準では、サッシの内外にブラインド、カーテン、障子などを付けた場合は、単にサッシだけではなく、付けられたブラインドやカーテンの性能効果を合算してU値を表示してよいことになっている。
したがって、1.5WのPVCサッシでも、ダブルハニカムを内側に付けるとU値は1.03W程度になる。
ダブルハニカムで0.47Wも性能が稼げるから、Q値は0.82Wという素晴らしい数値になる。

この0.82Wという数値は、法に照らして何一つ悪いことはない。正々堂々と胸を張り、のけ反るくらいに吹聴しても許される。
しかし、気の弱い私だと、消費者からのクレームを考えると、「0.82Wとは呼称せず」、「0.9W程度だと思いますが・・・」 と小さい声でしか話せない。
何故かというと、厳寒気の時にダブルハニカムを完全に下まで降ろすと、東京でもサッシの下部に結露が生じるから。
ダブルハニカムの裏に暖かい空気が回らず、ダブルハニカムとサッシに挟まれた狭い空気気層は下部から冷却し、露点を超えて全ての開口部の下部に結露が・・・。

この結露を避けるためには、全てのダブルハニカムの下部を10cm程度開けて空気が淀まないようにするか、ウィンド・ヒーターをサッシとダブルハニカムの間に挿入しなければならない。
全てのブラインドの下部を10cm開けたら、開口部の Uは、本当に1.03Wなのだろうか。
私のヤマカンでは1.3Wぐらいではなかろうかと推測。
また、ウィンド・ヒーターを付けると、その分はU値を減らして計算すべきだと思う。
夏期は、全てのダブルハニカムを降ろしていたのでは気分が悪く、明るさを求めて開ける。そうすると熱気がペアガラス面から侵入する。
ペアガラスだと日射取得率(η値)は、0.45程度だろうと推測する。最近の優れたトリプルガラスでは、η値が0.31程度のものまで出回っていて、夏期の日射熱をはねのけてくれる。

そんなことで、消費者のクレームを一身に引け受けてきた体験者としては、0.82Wを謳う勇気がない。
やはりダブルハニカムの下部10cm開けて、試験場でU値のテストをやってもらうしかない。
外気温と室内の相対湿度の関係で、1.5WのPVCサッシで結露が起こる条件。
その結露を避けるためにダブルハニカムの下部を開けて空気の流れを確保した場合の有効U値は、一体どれだけなのか ?
各社ともサッシだけでなく、ダブルハニカムを併用した時の実験はやっているが、この実験だけでは片手落ち。
消費者のために、結露レスの追加試験を是非やってもらいたいもの。

そんなわけで、一条の i-smart の泣き所の一つがサッシにある。
したがって、一条と同じ土俵でPVCにダブルハニカムをとりつけるという発想は一切捨てるべき。
その発想を持っている限りは、ダブルハニカムを自社生産している一条には逆立ちしても勝てない。

冬期、快適な生活を保証しょうとすると、室内の相対湿度は最低で40%なければならない。
とくに、高齢者や幼児のいる家庭では、風邪のウィルスを追放するためには、相対湿度は50%を超えることが理想。
老人ホームや病院などでは、50%の相対湿度は、最新の医療機器に匹敵する。
簡易加湿器を2つも3つも付けることによって50%を確保するという発想は、住宅のプロとしては失格だと考える
つまり、手間暇のかかる簡易加湿器に頼らずに、相対湿度を50%に保つことと、その高い相対湿度を維持しながら開口部に結露を生じさせないこと !!
この難問が、住宅業者の全ての開発者に投げかけられている。

更にいうなれば、冬期の相対湿度を40%以上に保つことが出来れば、冬期に発生する造作や壁周りに関すクレームを、ほぼ追放することが出来る。
これはすごいメリット。
冬期、無垢の木を使った匠の家だとか、最新のシンプルモダンな家だと自慢している展示場を、細かく観察していただきたい。
相対湿度が管理されておらず、相対湿度が30%を切っているモデルハウスのフロアー材のほとんどに、大きな隙間が見られる。造作材のトメの部分は口をあけている。
造作材と壁の部分には必ずといっていいほどクラックが入っている。
それを隠すために、クレーム処理係はコーキング材を持って駆け巡っている。
実になさけない。
どんなに高額な無垢の木が使われている家でも、湿度管理が出来ていない住宅とか、結露を起こす住宅は、私は 「欠陥住宅」 だと考えている。 だから仲間からも嫌われる。

i-smart のデシカを用いた湿度管理が、どれほどの効果を冬期に発揮するかは未知数。
夏期は体験させていただいたのでおおよそのことは分かった。
しかし、冬期を体験してからでないと、最終的な評価を下すことは出来ない。
そして、強調しなければならないのは、i-smart の対抗商品である限りはそういった面も含めて総合的に戦えるものでなければならないということ。

さらに、公表はしていないが、一条の強みに相当隙間面積(C値)が、0..6cm/m2程度だという点がある。
2cm以上の鉄骨プレハブは、とてもじゃないが敵わない。
比較的気密性能が出しやすいツーバィフォー住宅なのに、工事を外部へ丸投げしている三井ホームなどは、R-2000住宅の完成時の気密検査の0.9cmが守れなかったために、戦線から離脱し、R-2000住宅排斥運動に邁進した。
そういったことを考えると、直施工部隊を持たない大手住宅会社は、一条には勝てない。
R-2000住宅で修練を積み、ノウハウを蓄えてきた地場ビルダーにとっては、この面では一条以上の性能を高らかに謳うことが出来る。

次なる一条の強みは全面的な床暖房と床冷房。
北海道でもそうだが、Q値が0.9W以上の高性能住宅においては、床暖房は不要。
90%の熱回収が出来れば、内部発熱と高い相対湿度で暖房費はほぼ無用に。
今までのいくつかの事例から言えることは、内地では補助断熱としてせいぜい3kWの空調機が1台あるだけでことが足りる。
ただ、それをどこに、どんな形でとりつけるかが問題。
つまり、一条の全面床暖房の強みを、如何にして弱みにしてゆけるかが対抗商品作りのカギ。

次の一条の強み、50坪で58万円という価格。
50坪と言う大きな家だから、システムキッチン、システムバス、空調換気などの設備機器が大きな分母で割るから安く見えるだけ。
実際には40坪前後の家が多いのだから、その場合の表示は65〜75万円と上昇。
本来は、「40坪でいくら」 と表示するのが親切。
地場ビルダーは、積極的にそうした40坪程度の表示にして行くべき。
そして、「50坪だと53万円で、このフリーデザインで一条に比べて実質的な性能は劣らず、坪単価は安いのです!!」 と言える商品作りが理想。
北海道の十勝や札幌では、すでにその性能と価格を達成しているビルダーが数社現存する。
しかし内地では、これからの半年から1年がかりで築きあげて行くしかない。

最後は太陽光発電。
孫正義という風力や太陽光のメガ・ソーラーに乗り出した会社を買収したか、これから買収しようと考えている企業にとっては、買い上げ価格を40円の固定価格で20年間据え置きというのは大チャンス。
これは、企業努力なしに利益が生まれる投機産業の育成以外の何物でもない。
こういったメガ・ソーラーに対する投機を認めたから、イタリアでは2009年には買い上げ価格の負担が0.3円/kWhだったものが、2011年には2円/kWhと7倍にもなり、このままではやってゆけないと買取り価格の引き下げを決めた。
孫正義政商は、「買取り価格の国民の負担は微々たるもの」 といっているが、40円で20年間続けられたら22円の現行の電気代はあっという間に30円以上になってしまう。
ヨーロッパは、太陽光などの余剰電力はアフリカを含めた各国へ送電出来るが、日本の太陽光や風力発電の余剰電力を送付する国と送電網がない。
したがって、太陽光発電を売って儲けようと言うスケベ根性は捨てるべき。自家で蓄電して、いざという時に使うとか、電気自動車のエネルギーに使うことを真剣に考えるべき。
そのスケベ根性を捨てないと、孫正義などの新しい政商のメガ・ソーラー構想に、日本がメチャメチャにされてしまう。
当然のこととして、来年度の買い上げ価格は34円にすべし。

ともかく、国家経済の中に投機を持ちこむと、ドイツのように自国のQセルズ社が中国のサンテック社にシェアを奪われ、5%にまでシェアを落とし、ドイツ人と企業は、ユーロ安にもかかわらず賃下げとリストラと電力高で悩まされている。
同じことが、日本でも絶対に起こる。
一条の 「初期費用はゼロで、10年後からはボーナスが入りますよ」 という商法は、国家の税金の横取りを狙ったもの。消費者の皆さんが考えるささやかな夢を利用して、アクドイ政商連中が、大きな牙をむいて日本を狙っていることを忘れないで頂きたい。
買取り価格を早く34円から28円にして、正常な常識が通用すべき日本にすべきだと私は確信します。



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