2011年11月16日

欲しい最適η値データと2+1サッシへの名乗り


多分信じてもらえないだろう。
R-2000住宅を初めて東京でやろうと決意した時、大学の先生、空調メーカーや東電の技術屋さんは、 「東京でR-2000住宅を建てるなんて 正気の沙汰ではない。冷房負荷が大きくなって、冷房費が余分にかかる。 やめた方が良い ! 」 と異口同音に言った。
悔しいので、当時の●一般的な軸組工法(Q値3.5W程度)、●一般的なツーバィフォー住宅(Q値3.0W程度)、●SEAという次世代省エネ基準を上回る仕様(Q値2.0W程度)、●R-2000住宅(Q値1.4W)の住宅から各3棟を選んで三菱総研に消費電力のデータをとってもらった。
しかし、坪数はまちまちで開口部比率も入居者数もバラバラ。生活条件も違うので正確な比較データとはならず、残念ながら使えなかった。

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そこで、三菱総研と共同で通産省から若干の補助金を出してもらい、上の写真のように東電の送電線下の空き地を借りて ●一般ツーバィフォー、●SEA、●R-2000住宅の、3棟の27坪の同じ間取りの住宅を建て、受託研究を行った。
解体費用までを含めると当時の地場ビルダー・藤和が2000万円程度の負担。
データ取りは三菱総研。
結論だけを書こう。1994年の夏期冷房消費電力は下記。(ツーバィフォー比の削減率)
●ツーバィフォー    749kWh
●SEA          610kWh (−19%)
●R-2000住宅     515kWh (−31%)
このデータを日加住宅会議で発表して以来、関東以西での高気密高断熱住宅に対する技術者からの批判めいた声と、大手住宅メーカーからの雑音は一切なくなった。

いま、これと同じような試験棟が、ガラスとサッシに関して欲しい。
27坪もなくてよい。12坪の平屋で良い。
本来はガラスメーカーかサッシメーカーさんがやってくれれば良いのだが、期待出来ない。
大手住宅メーカーがその気になれば、経産省が動いてくれるはず。だが、これも期待薄。
となれば、やる気のある各社が少しずつ費用を持ち寄って、NEDOかどこかの支援を得て、大学の研究室でやってもらえれば良いのだが・・・。
もっともシミュレーションだけでかなりの近似値は出るだろうが、実体感が伴わない数値には信用が出来ない人になってきている・・・。

私の素案は以下のようなもの。
欲しいデータは、日射熱取得率(η値)ごとの夏期と冬期の合計消費電力量比較。
試験体のQ値とC値が3段階ぐらいに変えられるようにする。
Q値は0.7W、1.0W、1.4Wの3種。
C値は0.5cm/m2、1.0cm/m2、1.5cm/m2の3種。
そして、3棟のガラスのη値を0.3、0.45、0.6とする。
これで一定の設定温度と設定湿度で、冬期と夏期の消費電力量の合計を測定し、それぞれのQ値とC値における比較と、各地域における最適なガラスのη値を探り出す。
変な補助金にカネを出すより、こういった先行的な研究にカネを出すべきだと思うのだが。
私が現役だったら、何らかの方法でデータ取りをしていると思う・・・。

これとは別に、最近になって再び気になってきたのが2+1サッシ。
3年前、ドイツ視察に行った時、初めて2+1サッシを目撃し、欲しくてたまらなくなった。
この2+1サッシというのは、一番内側にウッドのペアサッシが入る。そして、外側はアルミの単板ガラス。
したがって外から見ればアルミサッシに見える。メンテンーナンスはフリー。

P1000046.JPG

そして、ウッドのペアとアルミの単板の間にブラインドが入っている。

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このブラインドの効果は高い。
ペアガラスの外側で日射を遮るのだから、反射熱はほとんど部屋内に入らず、単板ガラスから外部へ放熱される。しかも、カーテンが不要になり、部屋内もすっきりする。どうしても安眠のため壁全面の厚地のカーテンが欲しい方はご自由に。
そして、この2+1の良いところは他に2点ある。
内側のペアのU値1.3W程度にして、2+1で1.0W程度と仮定。
ブラインドが入るからη値を仮に0.4〜0.45程度にしたとします。
もし、夏期の夜とか中間期の暑い日に、外気温度が室温より2〜4℃低くなった場合、内側のペアガラスだけを内側に開ける。
そうすると、外部の高い湿度を室内に入れずに、単板ガラスを通じて間接的に室温を下げることが出来る。

もう1つは、冬期に太陽熱を活用したい場合。
この時も、日射が強い時間だけ、ペアガラスを内に開けて単板ガラスから太陽熱を取り入れる。これ以上入れるとオーバー・ヒートをすると考えた時点で、ペアガラスを閉めればよい。
若干操作が面倒だが、全ての窓を操作する必要がなく、限られた1〜2枚のサッシを操作するだけで目的が達せられる。
ということで、このサッシが輸入出来ないかと考えた。

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ところが、翌年北海道を訪ねたら、この2+1サッシが完成住宅に取り付けられているではないか。
「欲しいのはこれだ ! 」 と叫んだ。
だが、国内での生産が中止しましたと言われ、悔し泣き。

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また、今年訪れたキマドにも、性能値を確かめなかったが2+1サッシが展示されていた。

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そして、国内で一番2+1サッシに本格的に取り組んでいるのが兵庫の昭和住宅。自社物件用に2+1+網戸入りを山東省の自社工場で造らせ、国内へ輸入している。
金物はドイツ製で、ウッドはノルウェー産。 それを北欧の工場で造っていたが、人件費が高くなったので工場を山東省に移したという。 山東省だと配送期間は2〜3週間。 そして、関西は自社物件優先だが、中部以東はサッシだけの販売が可能。
「これはごっつあん」だと思った。

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ところがU値が2.0W程度とそれほど良くない。断面を見るとうアルミの部分は日本のアルミサッシ以上に厚い型材を使っている。ただ、木部の断面が少し心もとないのとガラスの性能が低い。
関西で商売をしている同社としては、これ以上の性能を求める気持がないらしい。
「量さえある程度まとまれば、性能の良いガラスが使えますよ」 と言うのだが、残念ながらその量を保証出来ず、1年以上もそのままに・・・。

冬期の太陽熱の導入の書き込みを見て、この2+1サッシのことを思い出した。
価格はお手頃。
最終的なU値は確かめていないが、どなたか手を上げる方はいませんか?


posted by uno at 08:32| Comment(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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