2011年12月10日

メガ・ソーラ前夜  太陽光発電・再生可能エネフェア2011


さる5日〜7日まで幕張メッセで開かれていた太陽光発電PVJapan2011 ・ 再生可能エネ世界フェア2011に、久しぶりに参加してきました。
この数年間 太陽光発電展への参加をサボっていたのは、変換効率に画期的な進歩が見られず、価格的には日本のメーカーよりも中国、台湾、韓国製が安く、日本メーカーの技術レベルに対する不信感のようなモヤモヤとした気分があったから。

しかし、今年の10月から11月まで行ったダイワハウスの「スマ・エコ オリジナル」のキャンペーンで、リチウムイオン電池2.5kW  162万円+D-HEMS(最適節電システム)28万円+太陽光発電3.5kW 58万円=約250万円のうち163万円を値引きするモニター価格販売の第1弾を行っていた。
そして12月に入ってリチウムイオン電池162万円+D-HEMS28万円=190万円を、たった31万5000円(税込)で販売するモニター価格の第2弾を実施中。
いずれも、リチウムイオン電池の約160万円をサービスするというキャンペーン。
太陽光発電よりも、家庭用リチウムイオン電池のことが気になって幕張まで足を運んだと言う次第。

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正直なところ、家庭用太陽光発電パネルでは、これはと言うものがなかった。
また、家庭用リチウムイオン電池はジャパンホームショーよりも出展ブース数が少なく、中国から2.4kWhの製品が78万円という価格で売られていたのが目についただけ。果たして安全性などの性能面で信用出来るのか ?  ナビという輸入業者の担当者に聞いたがはっきりしない。しかし、蓄電池の分野でも中国が低価格を達成している事実にはびっくり。
それ以外では、期待した蓄電池は見られなかった。 ただし、370の展示ブースを、3時間かけて一人で見て回ったので見落としもあろう。
また、少し太陽光関係から離れていたので、つまらないことに感動し、肝心なことを取材していないと言うピンボケも多いはず。
それよりも何よりも お詫びしなければならないのは、うっかりデジカメを忘れたこと。
幕張駅で気が付き、売店で使い捨てカメラを初めて2台を購入したが、焼いてみたらいずれもフラッシュ力が不足で真っ暗。セミナー会場を含めて使える写真が1つもない。
改めてデジカメの威力を痛感。 ネガフィルムの衰退理由を実感せられた。
そんなわけで、写真はほとんどカタログからの転写であり、転写が難しい物件はネットのホームページを表示した。そのことをまずお詫びします。

ご案内のように、今年の8月26日に、「再生可能エネ買取り法」 が成立し、来年7月より電力会社は再生可能エネルギーを一定価格で買い取ることが義務づけられた。
しかし、肝心の送電などのスマートグリッドの議論と準備が不十分。
また、ヨーロッパと違って、日本の場合は余剰電力の供給先を持っていない。ヨーロッパの場合はアフリカや東欧各国へ売ることが出来る。
東アジアには、そのような送電網のネットワークが出来ていない。このため当然のことながら、電力会社が電力の安定供給面で支障がある場合は、買い上げを拒否することができるという例外規定が認められている。
また、電力の買上価格や買上期間についても、まだ何も決まっていない。
しかし、太陽光発電をはじめとして風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギーメーカーは、これを好機ととらえてキャンペーンを張っていた。

つまり、今までの住宅の屋根に太陽光パネルを搭載するシステムから、メガ・ソーラーに重点が移っている。
メガ・ソーラーでは、相手になるのは住宅のような個人ではなく投機家。
イタリアやスペインが、投機家向けにメガ・ソーラーの門戸を解放し、電力料金に上乗せを図ったら電気代が急騰し、買い上げ価格を急遽引き下げなければならなかった。(9月20日付の今週の本音「原発の後に来るエネルギーは太陽光発電ではない」を参照)
また、今年の秋のジャパンホームショーに来日したドイツのサッシ関連のトップは、「太陽光発電の普及でドイツの電気代がアップしたが、ドイツの太陽光メーカーは減産を余儀なくされ、人員整理が進んで雇用も失われた。儲かったのは中国のメーカーだけ」 と嘆いていた。
同じ現象がアメリカでも起こっている。
オバマ大統領は、太陽光発電など再生可能エネルギーへの大転換を計画し、「新しい雇用の増大」 を図った。 ところが、アメリカのメーカーの何社かは倒産し、マーケットは中国メーカーに奪われてしまった。
孫正義氏の言うような、投機資本を稼がせるための再生可能エネルギー振興策には、根本的なシステムエラーを抱えていると考えるべき。

メガ・ソーラーの部門で、NEDOが推奨している新しい技術が2つあった。
1つは大同特殊鋼の「集光型システム」。

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写真のようなオッパイ状の形のものを並べ、乳首の小さい穴からレンズを通して集光するので、変換効率は今までの2倍以上の40%という驚くほどの高さ。
ただし、絶えず太陽に向かい会っていないと、この効率は出ない。
このため、台座ごと太陽を求めて回転する。

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これは駐車場などのスペースを有効利用するのに最適。
住宅用ではなく、場合によっては畑とか牧場などでも採用出来るかもしれない。
砂漠なら一帯にパネルを設置するのも良いだろう。しかし、この集光型だと、必ずしも土地を太陽光発電だけに独占使用させるのではなく、2つ以上の目的に活用出来る。
しかも、風力のように騒音を出すこともなく、また渡り鳥が巻き込まれて死亡するということもない。
価格面を確かめなかったが、技術としては大変に面白い。

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もう1つ紹介されていたのが昭和シェルグループのソーラーフロンティアのCISパネル。
今までの結晶シリコンを一切使わず、C(銅)、I(インジウム)、S(セレン) で構成する。
したがって価格的にはシリコン系に比べて安い。ただし、現時点での変換効率は12.2%と低い。だが、曇った日に強く、年間トータルではシリコン系よりも8%もすぐれているというデータがある。
実験装置では17.2%を達成しており、13〜14%に到達するのは時間の問題。
しかし、このうちのインジウムは希少金属。
したがって将来は銅とセレンだけのCSパネルの生産も考えている。
そして、主な用途としてメガ・ソーラーを考えており、すでにかなりの実績を持っている。
いずれにしろ、今までの碁盤の目のような線が入っていたシリコン系のパネルに変わって、真っ黒なパネルがこれから注目されてゆく。

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同じ系列にあるのがHONDAの新しいCIGSパネル。
ソーラーフロンティアのCISに比べて G (ガリウム) が加わっている。
変換効率は13.5%で、Gが加わったせいかソーラーフロンティア製よりも変換効率がよい。
これも曇りの日や障害物、暑さにも強く、当面は住宅を中心に拡販を考えているよう。

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そしてシャープも薄膜タンデムセルの開発で、メガ・ソーラー用にフレームレスの真っ黒なモジュールを開発している。

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こういった、真っ黒ブームとは別に、注目されていたのが薄型で変形自在なパネル。
大阪大学と共同開発したのかエコホールデングスの「パワーフレックス」。
軽量でフレキシブルなので、テントの屋根や園芸施設の丸いガラスの屋根、さらにトラック、ゴルフ場のカートの屋根にも付けられる。
長さは2メートルと6メートル。発電効率は12.5%以上で、メガ・ソーラーを含めて多面的な採用が見込まれている。

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住友ベークライトグループの住ベシート防水は、写真のような非常に柔軟性に富んだ「サンロイドDNソーラーシート」を開発。
最大の特徴は、防水シートとアモルファスシリコンによる太陽光発電を一体化した点にある。
見ただけで分かるように超軽量。
したがって、体育館などの瓦棒屋根全体を防水補強しながら 全面を太陽光発電として活用することが出来る。

こうした太陽光発電関係の外に、再生可能なエネルギーとして風力、地熱、太陽熱、バイオマスなどの展示も同一会場で行われていた。
いろいろ紹介したいものがあったが、その中で2つだけ紹介したい。
1つは九州大学の「洋上風力発電」。
九州大学のキャンパスには100kWという大型の風車が設置されている。
この風車のローター直径は12.8メートル、集風レンズ直径15.4メートルというもの。
この風車を洋上浮体に載せて、とりあえずは小型を2011年中には博多湾に浮かべ、将来は100kWのものを玄界灘に浮かべようという構想。

http://www.riam.kyushu-u.ac.jp/windeng/aboutus_detail04_03.html

この100kW構想で、ある政党はこれこそが原発に変わる本命と書き立てている。しかし、原発一基100万kWを達成するには、この大型風車が1万本も必要。 自称革新政党の寝言は 信用出来ない。
どこまで可能性が高いかが不明だが、確かに面白い試みであることは間違いない。

もう1つは、アトム環境工学の太陽熱集熱器。
今まで寺田鉄工所の真空管式集熱器はあったが、屋根に貯水タンクを設置する落水タイプ。
それに対してアトム社の場合は、真空ガラス管型だが不凍液を循環させるだけで貯水タンクがないので軽量。

http://www.ajic.co.jp/contents/solar/products.shtml

これと矢崎総業の太陽熱集熱器対応型エコキュートと、いずれがより効率的かは分からない。
しかし、いずれにしても日本では太陽熱温水器に対する関心が希薄すぎる。
原発の比率が少なくなって、深夜電力の余裕が少なくなれば、エコキュートに依存しすぎている現状を再考してゆく必要があろう。

こうした展示のほかに、「海外での再生可能エネルギー事業の展開」 というセミナーが面白かった。
紙数がなくなってきたので東芝冨田部長と千代田加工の小笠原本部長代理の、ほんのサワリの部分だけを紹介する。
まず、東芝。
東芝は、パネルを自社生産する気は今後ともない。最上のパネルを選び、アッセンブルしてゆく。そして、パワーコンディショナや受変電設備では自社製品とノウハウにこだわってゆく。
そして、海外事業は投資家が対象。単に太陽発電の生産だけでなく、スマートグリッドを含めた総合力が求められ、しかも10年保証が原則。
取り組む先は北米、ヨーロッパ、アジア、北南米、北アフリカと、寒冷地以外はすべてグランド。
総合力で活躍できる場は、広い。

次は千代田加工。
同社は、石油化学からガス、薬品、脱硫排煙排水処理、産業設備、グリーンエナジーなどあらゆる産業を網羅している。ネットワークは世界各国に及び、擁する技術者の陣容は7150人にも及ぶ。
そして、2年前から太陽光、太陽熱発電にも取り組んできている。とくに熔融塩パラボリックトラフ型太陽熱発電の将来性は高い。
そして、太陽エネルギーを発電だけでなく各種プラントへ直接利用する高度なシステムを構築して行くつもり。 例えば、太陽熱を利用して海水の淡水化により水を、その水を電気分解して水素を得て日本へ持ち帰るなど、ソーラーハイブリッドチェーン化を進めてゆく。
単に太陽発電事業だけを行うのではなく、化石燃料も活用しながら、各国の要望に応じながらCO2削減に貢献して行きたい。

2社とも太陽パネルのことだけを考えていない。もっと多面的に取り組むことによって、日本の総合的な技術力が世界的に評価され、各国から求められ続けるという。再生可能エネルギーを狭い範囲でしか考えていなかった私にとっては、まさに頂門の一針。


この記事へのコメント
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Posted by モ バ ゲー at 2011年12月11日 00:31
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Posted by 中山大障害 at 2011年12月14日 16:20
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