2012年01月01日

ホームページの表紙を変えたわけ ! 是非皆さんのご支援を !


あけまして おめでとうございます。

お気付きのように、旧臘30日からホームページの表紙を変えました。

昔の話で申し訳ありませんが、暫くお付き合いのほどを・・・。
関東地域で初めてQ値が1.4W、C値が0.9cm2/m2の高気密高断熱住宅・R-2000住宅に取り組んだのが24年前の1988年。
しかし、いくら熱損失係数がよく、気密性能のよい住宅を建てても、当時は坪単価が10万円ほど高かくなったということもあり、R-2000住宅は6戸しか普及させられなかった。
転機になったのは8年後の1996年。
ナイスの協賛を得て、仲間とR-2000住宅に特化した 専業住宅会社ハーティホームを設立しました。
翌年、ダイキン工業が除加湿機能付きセントラル空調換気システムを開発してくれ、除加湿機能付きセントラル空調換気のR-2000住宅を 坪5万円高程度で売り出したところ、一気に火がつきました。
つまり、Q値やC値だけでは、関東以西の消費者の満足感を得ることが出来ず、真の快適さを実現出来なかったのです。
この除加湿機能付きセントラル空調換気システムの出現と、高性能住宅のコラボレーションで、今までの価値感を根本的に変えられたのです。
モデルハウスで夏と冬の快適さを実感され、多くの皆さんの共感を得ることが出来ました。

愚かにもこの数年間、この肝心の貴重な経験を軽視してきました。

例えば、50坪のR-2000仕様に、坪8万円余分にカネをかけてQ値が0.7Wのパッシブハウスが得られたとします。たしかに熱損失係数は2倍の性能になっています。
しかし、1.4Wが0.7Wになることによって、消費者が得られる具体的なメリットは、電気代が安くなるだけのこと。
R-2000住宅の年間冷暖房・換気の電気代が、例えば年間16万円かかっていたとします。
それがパッシブハウスで半値の8万円になったとします。
しかし、建築費は50坪×8万円=400万円 高くなっています。
電気代が年間8万円安くなったにしても、金利を考慮に入れずに償却したとしても50年間はかかる勘定。200万円で済んだとしても25年間。これでは施主に振り向いてもらえません。
たしかにCO2が削減され、パッシブハウスの認定が得られたとします。
だが、そのことで得をするのは設計者と企画者のみ。
消費者は長い期間の負担に苦しみ、資材供給業者は安い協賛価格の無理強いに泣かされます。
ただし、データを得るための試験棟だという目的がはっきりしている場合は、資材業者にしろ ビルダーにしろ、積極的に協賛する価値があります。
しかし、発表される実測データが1つもない協賛は、単なるタカリであり、主催者のマスターベーションにすぎません。
こんなことをいくら繰り返しても、日本の住宅が好ましい形に産業化されることはありません。

そういった視点から眺めて、R-2000住宅後で日本の消費者と産業界に大きな影響を与えたのが一条工務店の i-cube と i-smart。
単に高性能だけではなく、価格を明確にしてくれたことが消費者にとっては最大のプレゼント。
ご案内のように、i-cube のハニカムシェードを加味したQ値は0.76W。
一方、 i-smart のQ値は0.82W。
IBECのSMASHでは、Q値を計算する時に、内障子やカーテン、ハニカムシェードは加算してよいことになっています。したがって、同社のこの表示には何一つ問題はありません。
ただ、日昼もハニカムシェードが全部閉められているということはあり得ず、また冬期の結露などで下部を空けている場合が多いのも事実。
したがって、実質的なQ値は、i-cube で0.9W、 i-smart で1.0Wと 私は勝手に性能を評価しています。
そして、仙台以南ではこの数値で十分だとも考えています。
一方、気密性能のC値は、平均して0.6cm2/m2だと同社は話しています。
第3種換気の場合は、排気口周辺から給気がショートカットされるのを防ぎ、2階の一番遠い寝室の給気量を確保するには どうしても0.2〜0.3cm2/m2の気密性能が必要。
しかし、セントラル給排気の場合は 必要とされる新鮮空気が確実に各部屋に分配されるので、気密性能はR-2000住宅基準の0.9cm2/m2を確保しておれば ほぼ十分と考えます。
ただし、湿度コントロールには気密性が物を言います。0.5cm2/m2以上がより望ましいことは言うまでもありません。

一条は0.6cm2/m2の性能で、全館床暖房と換気設備込みの公表価格が50坪で i-cube の場合が56万円、 i-smart の場合が58万円。
つまり、照明や外構、追加工事抜きの本体価格が2800万円と2900万円。
しかし、これはあくまでも50坪と言う大きな家の場合の基準価格。
したがって、40坪やそれ以下の場合でも設備費はあまり変わらないので、実際に提示されている価格は、坪単価で見るならば68万円とか70数万円、さらにはそれを上回ることもあります。
本来は、需要が最も多い40坪前後での価格表示であった方が、消費者に対しては親切。
だが、性能と価格を明示した同社が 消費者と同業他社に与えたインパクトは非常に大。

さて、ここで改めて性能について考えてみたいと思います。
R-2000住宅が強調していたのは、定められた各部位のU値を守ることにより、総合的なQ値で省エネ性能が飛躍的に高まることと、室内の空気質が画期的に改善され、保証されること。
価格には触れていません。

これに対して、一条工務店が強調しているのはハニカムシェード込みのQ値と電力会社の買入価格が高い場合の太陽光発電の有利性。
しかし残念ながら、同社は室内空気質については一切発言していません。トイレと浴室から24時間排気を義務化していない以上、空気質についての発言権は同社にはない と考えます。
そして、価格は明言。

一方、ドイツのパッシブハウス研究所が唱えているのは、もっぱら躯体とサッシのU値とアースチューブや80%以上の熱回収換気などによる省エネ性能の追求と、その結果としての120kWh/m2・年の一次エネルギー量の確保。つまり、省エネ一本ヤリ。この考えだけを絶対視するのは日本ではムリがあると 痛感させられました。
価格には一切触れていません。
そして、気密性能は漏気回数で0.6回 (C値で0.3cm2/m2) というものすごい性能を求めていますが、私は不勉強のためにその根拠が未だに分からない。
同研究所では換気システムや空気質に触れていないので、もっぱらQ値対策としての気密性能ではないかとゲスは勘ぐりするしかありません。

寒冷地のカナダ生まれのR-2000住宅や、夏が乾期のドイツで誕生したパッシブハウスが、除加湿に対して無頓着なのは致し方がありません。
日本は、カナダやヨーロッパでは信じられない 「夏期の高温多湿」と、冬期の 「過乾燥」 という難問を抱えています。
ところが、日本の大学の先生方や建研の研究者をはじめほとんどの研究者は まともに除加湿の研究をしていません。 私の知っている範囲で除加湿問題に高い関心を持っていたのは、自宅を超高気密高断熱で建てた千葉工大の小峯浩己先生ぐらい。
つまり概念的な温度だけで走って、湿度が人体に与える大きな影響に対して現実を直視せず、実践的な経験とデータを持っていなさすぎ。

それと同じ現象が、一条工務店にもありました。
札幌・稲毛区の i-cube の体験棟に案内してもらったのは09年の4月上旬。
i-cube の第一号を北海道に建てたということは、パッシブハウスクラスの超高性能住宅は、最初から、「寒冷地用住宅」 として意識していたのでしょう。
そして、その体験棟で一泊しながら、私は i-cube が抱えている問題点にその時点では気付いていなかった。したがって、あまり大きな顔は出来ません。
4月上旬といっても、札幌は春先と言うよりは冬。
肝心の冬期の過乾燥を知るには、相対湿度が何%であったかをチェックするのが常識。 ところがしていません。 ということは、チェックを忘れるほどの加湿がロスガード90にあったのだと思います。
つまり、冬の北海道のホテルでいつも悩まされていた 「過乾燥」 が、体験棟にはなかった。
このため、過大な評価を i-cube に与えてしまいました。

その年の夏に、一条のロスガード90 (ダイキンのベンティエール) には全然除湿力がなく、室内の設定温度を25℃に設定しないと生活出来ない大欠陥を持っていることを知らされました。
何回も書いていることですが、人々が蒸し暑さを感じるのは室温が26℃を越えてから。
26℃になると、相対湿度を60%以下でないとストレスを感じます。
能率が低下し、いらだちを覚え、怒りやすくなり、身体に変調が起こります。
このストレスを解消するには、クーラーで室温を25℃以下にするしかありません。
そうすると、ほとんどの女性の肌と生理を痛めます。
このため、潜熱のエンタルピ効果を信じて薦めた全熱交の家の空調機を、再熱ドライのアメニティビルトインに交換せざるを得ませんでした。
翌年には、一条工務店の i-cube を導入した2人の施主からも、ロスガード90の除湿力の無さに対する嘆き節を聞かされました。
単に浴室・トイレから24時間連続排気が出来ず、室内の空気質が正しく維持出来ていないというだけではなく、夏の除湿に一つも貢献出来ない全熱交は、カナダ政府が言うように住宅では絶対に採用してはならない商品。 少なくとも2012年の年初の現時点では・・・。
こうしたクレームの存在があって、一条では i-smart では長府製作所のデシカ換気に切り替えようとしているのは賢明な策。

このような回り道をして、やっと再び1997年発売の除加湿機能付きセントラル空調換気システムに 里帰りすることが出来ました。
それを可能にしてくれるのが、今秋から発売予定の家庭用デシカ250m3。
私は、「自称 デシカ応援勝手連 会長」。
単に、ダイキンの提灯持ちとしてではなく、他のメーカーや連合体にも、デシカに準ずる除加湿機能を持つ換気装置をドシドシ開発して欲しく、及ばずながら支援をしてゆきたいと考えています。
ご案内のとおり、一昨年8月から昨年8月までの13ヶ月わたって、S邸にビル用の500m3のデシカを取り付けて、ダイキンに詳細なデータを取ってもらいました。
このデータの詳細は、部外秘ということで、Sさんも私もその内容を発表することは出来ません。

しかし、私がホームページの表紙に書いたような、「仙台以南の住宅ではやたらとQ値を追う必要はない。 サッシのU値を1.0W以上のものを使えば、外壁は206、つまり14センチの充填断熱材だけでQ値0.8〜1.0Wの性能達成が可能。 それに絶対湿度が冬期は8グラム、夏期は10グラムが達成出来るデシカを付加すれば、冬期は室温22℃で相対湿度48〜49%という風邪をひかない理想的な生活が出来るし、夏期は29℃の設定温度で相対湿度40%という 毎日が軽井沢の快晴日という超快適な生活」 が可能になります。
もちろん、全館24時間空調換気で、除加湿機能を含めた年間電気使用量が25〜30kWh/m2が、当面の大目標。
そして、除加湿機能付きセントラル空調換気付きで、坪単価が一条工務店の i-smart と同じ50坪で58万円以内で出来ることが、これまた大目標。

多くの人が、「いい加減な初夢」 と笑われるでしょう。
しかし、今までのいくつかのデータをつなぎ合わせれてみれば、決して夢物語ではないと考えています。
今年の私の合言葉は、「1.0W以上のサッシとデシカ換気によるセントラル空調換気システムを、手ごろな価格で供給出来るビルダーを核とした新しい産業システムを確立する年」 です。
当然のことながら、幾多の挫折と右顧左眄もあると思います。
簡単に完成出来ては面白くない。 途中で音を上げるビルダーも出てくるでしょう。

しかし、これほど遣り甲斐のあるイノベーションはありません。
その詳細を1年がかりで発表出来たらと 本人はやたらに気負っています。
是非とも、消費者の皆さん方の絶大なご支援を 心からお願い申し上げます。


posted by uno at 12:59| Comment(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。