2012年05月25日

アメリカ生まれの特殊EPS・外断熱による中高層ビル断熱改修


今から2〜3年前、中国と韓国の高層ビルが可燃性の外断熱に引火し、あっという間に全焼するという事故が3件も連続して起こった。
まず、2009年2月、北京の30階建の超高層ビルTVCCが、外壁に使われた可燃性の断熱材に引火し、2時間半で全焼するという事故が発生。
翌2010年10月には、韓国・釜山の超高層マンション「ウシン・ゴールド・スィート」の4階から出火し、わずか20〜30分で可燃性断熱材に引火して38階の最上階まで焼き尽くしてしまった。
翌月の2010年11月には、上海の高層マンションで、溶接の火花が外断熱や工事用ネットを伝わって建物全体を燃やしてしまった。

こうした事故が続いたので、中高層ビルの外断熱による改修には専らロックウールを用いるしかないだろうと私は考えていた。
低層住宅では、発泡スチロール協会が木軸、2×4ともEPSで30分の防火認定をとっている。
しかし、中高層ビルだと、開口部周りや、階層ごとに炭酸カルシウム系発泡板を回さない限り、上階への類焼は避けられない。

それと、中高層ビルの場合は、低層住宅のように簡単に通気層をとるというわけにはゆかない。
ビル風という言葉を良く聞くが、渦巻く風の強い引張力で、外装材が剥がされる怖れが高い。
このため、鉄筋コンクリートに透湿性のある接着材でロックウールを固定し、グラスウールのメッシュで抑え、下塗り、上塗りとも透湿性のモルタルで処理し、仕上げにこれまた透湿性の塗装で仕上げるという方法が世界の常識に。
つまり、RC造の断熱改修の場合は、ロックウールの繊維をタテの状態に施すか、一部スウェーデンで見られるように繊維方向をヨコにして、グラスウールのメッシュを特殊な部材で固定して行く方法しかないと考えていた。
仕上げは湿式工法。
ドイツのベルリンでは、かつての東ドイツ時代のアパートを軒並みロックウールと高性能サッシで軒並み断熱改修をおこなっていた。
日本では、公団や公営住宅をはじめ、古い社宅を断熱改修することが当面する大課題。

もちろん、公的な住宅だけではなく、古いマンションなども軒並み断熱改修の適齢期。
低層住宅だけに目を奪われているのではなく、こうした中高層RC造に着目して行くビルダーもそろそろ出現してよいはず。
そんなことを考えながらネットを見ていたら、かなり前からサンクビットという会社の学術的な論文に惹かれるものがあった。
アメリカのドライビット社が、アウサレーションという独自仕様のEPS (ビーズ法発泡ポリスチレン) で、アメリカの厳しい防火認定をクリアーし、中高層ビルの断熱改修工事をかなり受注している。
その技術を導入した日本のサンクビット社が試験センターの防火認定をとり、その性能を堂々と公開していた。

しかし、価格的なこともあり日本で断熱改修工事を受注することが困難らしく、なかなか実績報告がなかった。
しかし2日前、やっと中央区・新川の村木ビルの改修報告書が掲載された。

http://www.cinqvit.com/06_shiryou/03_ronbun_54.html

もちろん、この材料が中高層断熱改修の本命だということではない。
主流はあくまでもロックウールだと思う。
しかし、この情報は一つのきっかけを与えてくれるような気がする。

posted by uno at 09:01| Comment(0) | 技術・商品情報 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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