2012年10月29日

生命を支えるマグネシウム & 長寿の素・タウリン


家森幸男著「世界一長寿な都市はどこにある?」 (岩波書店 2000円+税)

世界1表紙.JPG

家森幸男氏の著書は 「長寿食世界探検記」 「食べて治す高血圧」 「カスピ海ヨーグルトの真実」 の3冊しか読んでいない。
この著は、1年前に出版されたもの。
しかし、書店でも見かけなかったし、書評欄でも見かけなかった。
たまたま立川の図書館で見かけて読んだら、面白い。
この著書は机上論ではない。 世界25ヶ国、61地域を訪ねて、日本を含めると延べ約2万人の1日分の尿を集めて研究室へ持ち帰り、それを分析し、その結果を世界へ発信している。
まさに足で稼いだ フィールドワークからの発信。
著者のプロフィルを見たら、なんと出版物は英文を含めると100冊を越えている。

一般に男性は仕事に追われ、なかなか食事や料理にまで関心を持つ余裕がない。
まして子供の食育問題にまでは とてもじゃないが手が回らず、女房殿にお任せという家庭がほとんど。 そして、職場を離れてヒマが出来、この本などを読んで 初めてわが家の食育に問題があったことに気付かされる・・・。
そうなってから あわてても遅い。
そこで、世の多忙な男性諸氏のために、この本が力説しているポイントをお伝えしたい。
この著書が言わんとしている最低の知識を身につければ、自身のメタボにも有効に対処できるはず。
著者の集大成のほんの一部を 正しく伝えることが出来ればと願う。

世界中を回っている著者が、最初に発言していることは、「都市化が人々の健康を破壊し、寿命を短くしている」 という事実。
例えばマサイ族。 
1986、87年に50代の人々を調査した時は、高血圧の人は一人もいなかった。
1升瓶ほどのヒョウタンを 牛の新鮮な尿で洗浄し、特種な香木で燻して殺菌し、そこへ牛乳を入れてヨーグルト化したものを沢山飲み、食塩の使用は3グラム以内。これで高血圧とは無縁の生活。
ところが2008年に21年振りに調べたら、ヒョウタンを牛の尿で洗うのは不潔だというので政府がペットボトル入りの水を配っていた。ヨーグルトを飲まなくなってマサイ族に高血圧が急増。
とくにひどいのは電灯が入った大都市。 電気と一緒に雑貨屋にコーラが入ってくる。回教徒が多いのでアルコールをやらないから、とくに甘いコーラに人気が・・・。 
それと同時に 大量生産された食料品も雑貨屋へ入ってくる。 この食料品はすべてが保存食で塩が入っている。 口当たりを良くするためラードも使われている。このためメタボ化が急速に進み、肥満、高血圧、高脂血症、糖尿病のリスクを抱えた人々が急増。

それと同時に、都市化によって教育程度が高くなってくるが、教育程度が高いほど肥満が多くなり、上記のリスクを抱えた人が増えたという事実。 アフリカでは高校教育が最高教育だが、何年間教育を受けたかを調べたら 長い者ほど肥満が多かった。
これは何もアフリカに限ったことではない。 生活習慣病の多いアメリカやオーストラリアでは、教育程度が高い者ほど高収入が得られてメタボのリスクが高く、心臓疾患に罹る者が多くなり、短命になっている。
日本でも、高学歴化と肥満化は無縁ではない。

著者は、今まで食塩と高血圧との関係を中心に調査と研究を重ねてきた。
しかし、大量の尿が集まり、データ化することが出来たので、これを24時間の栄養情報とリスクの関係で再分析を行った。 その結果、世界中でマグネシウムとタウリンという栄養素が 人々の健康とリスクに大きく関わっていることが判明。
マグネシウムは、地殻の中で8番目に多い元素。とくに海の中ではカルシウム以上に多い元素。 生体の中でも4番目に多いミネラル。 そのマグネシウムは、今までそれほど注目されることはなかった。無視されることはなかったが研究対象にはならなかった。
だが、一番大切な仕事をしているらしい?!・・・・

ラットの実験で、「高血圧にはマグネシウムが効く」 ということは証明済み。 しかし、脳の中でマグネシウムがどんな働きをしているかが分かっていなかった。
ラットの血管細胞のマグネシウム量は、年を取るとともに減少。食塩を与えるとさらに減少。
食塩を摂取すると、当然のことながら細胞の中へナトリウムが入ってくる。その時、生体に野菜などから摂ったカリウムが多ければ、カリウムがナトリウムを取り込んで外へ出すポンプの働きをする。そして、両者のバランスが保たれて細胞は正常に働く。 このカリウムの働きを助けているのがマグネシウム。そのマグネシウムが少なくなるとカリウムとナトリウムのイオンバランスが崩れ、次第にカリウムが減ってポンプの働きが弱体化し、ナトリウムが細胞内に溜まってゆく。
ナトリウムが増えると、細胞内の水分が引付けられて膨化。 血管の壁が厚くなって血管内部が狭くなる。 これが、食塩を摂取すると血圧が上がる現象そのもの。
そして、ナトリウムが溜まり過ぎると、最後の手段として血中のカルシウムを細胞内に引き入れる。そうすると血管をさらに収縮させ、血圧を上げ、悪玉コレステロールが細胞に溜まりやすくなる。
さらにカルシウムが不足すると、骨を溶かすホルモンが出てカルシウムを増やしてくれるが、過剰に取込んで細胞自身が死んでしまう。その結果、動脈硬化がますます進む。

38億年前に、海中で初めて生命が誕生した。 それが多細胞化して陸へ上がった。
海中にはマグネシウムが多かったが、陸上では少ない。このため、細胞内外のバランスをとるために進化の大変革が必要だったが、最終的にマグネシウムに依存することは変わらなかった。
幸い、陸上には植物の葉緑素と木の実があった。また、穀物は精白しない玄米、玄麦を食べていたので、多くのマグネシウムを補強できた。 
さて、このマグネシウムはどんな乾物に多く含量しているのか?  それを示したのが下図。

マグネシウム.jpg

これを見るとアオサ、アオノリの藻類をはじめとしてワカメ、ヒジキ、コンブの海藻類が圧倒的に多いのに驚かされる。 次いで干しエビ。 続いてゴマ、アーモンド、ピーナツなどの種実類。
この表を見て以来、私のささやかな寝酒のツマミが、干しエビ、ピーナツ、トロロコンブの乾き物に変わってしまった。

次がタウリン。
マグネシウムは細胞でのバランスをとるのに貢献してくれており、とくに高血圧症に有効。
これに対して、ラットの研究からタウリンは循環器系、とくに血管を健康に保持してくれる働きを持っていることが分かっている。 心臓病や脳卒中には不可欠の栄養素。
著者が調査したのは世界の61地域。その中には日本の8地域が含まれている。
そして、尿の中のタウリン量を調べたら、61地域の中で上位8位はいずれも日本の地域だった。それに次ぐ9位がハワイ、10位がブラジルの都市部に住んでいる日系人社会。
この調査結果から明らかなように、タウリン栄養素が多いか少ないかは、魚介類の摂取の多寡に比例する。
下の図は、タウリンの含量の多い食品。

タウリン.jpg

これを見れば明らかなように、タウリンが圧倒的に多いのはカキ、ホタテ、ハマグリなどの貝類。
これに次ぐのがタコ、イカ、クルマエビの魚介類。 キダイ、マダイ、サバの魚類の2倍もある。 肉類は惨めな数値。
日本各地にある貝塚は、貝を日常的に捕捉し、心臓病から身を守ってきた日本人の英知を示す記念すべき塚と言える。
著者の調べによると、ブラジルのサンパウロなどに住む日系人は、少なくなったとはいえ普段から刺身を食べているのでタウリンの地域順位は10位。 ところが、同じブラジルでも奥地へ入植した日系人は魚を食べることが出来ない。肉を中心のブラジル食にならざるを得ず、心臓病が多くなって、平均寿命は沖縄の人に比べて17才も短命になっている。  
17才の差ですぞ!!
やっと残暑が去り、これから鍋料理の季節。
ちょっと一杯という時、スキヤキとかジンギスカンを避けて、今年からはカキ鍋かタラ鍋、ホタテが入った寄せ鍋。 懐が温かい時はテッチリにしましょうよ。 100歩譲ったとしてもモツ鍋。
著者は行外にそのことを奨めています。

日本だけでなく、今 世界的に 「生活習慣病」 の追放が大声で叫ばれている。
この生活習慣病は、6つの大きな原因で惹起されている。
◆塩分過剰
◆野菜不足
◆脂肪過多
◆糖分過剰
◆食べ過ぎ
◆運動不足

まず塩分過剰。
昔は肉も魚も野菜も長期保存のためには塩漬けにするしかなかった。たしかに一部は天日干しで保存する方法が採られていたが、漬物にしても魚の干物にしても 圧倒的に塩漬けが多かった。
現在でもコンビニ食をはじめ、チーズやハム (特に生ハム)、ソーセージに塩が効かせてある。
今は冷凍技術が格段に進んだので、簡単に冷凍品が入手出来る。そういったものを多用して、乾燥させた保存食以外は出来るだけ使わず、自分で料理することが理想。
そして、京都料理に代表されるように、コブ、カツオダシ、シイタケなどのうま味成分を最大限活用して減塩を図って行くことと、塩の変わりに酢の活用を本格的に考えるべき。
つまり、日本の伝統食を見直すべきだと主張している。

2つは野菜不足。
これは、マグネシウムの項でもみたように、野菜由来のタウリンが不足すると高血圧、肥満、高脂血症、糖尿病になりやすい。
よく、「ま ご わ や さ し い」 を中心にした伝統食を見直すべきだと言われている。
ま はマメ。 豆は良質の糖質、蛋白質、ビタミン、ミネラルなどがバランス良く含まれており、
  マグネシウムや植物繊維も多い。豆腐やオカラも良いが、とくに納豆は推奨品。        
  話は脱線する。8月末の定期検診で白内障と言われ、20日後に本格的検査を受けることが決定。
  そこで、キムチ入りの納豆を20日間食べ続けた。そして検査を受けたら「全く異常なし」。
  これは眼科医の誤診てはなく、キムチ入り納豆の発酵菌の威力のせいだと信じたい。
ご はゴマ。 ゴマの効能は、サントリーのセサミンEXで その効力はすっかりお馴染みに。
わ はワカメ。 マグネシウムの宝庫だということが良く分かった。
や はヤサイ。 葉緑素こそ陸上のマグネシウム。著者はレンコンを推奨。根菜類は毎日欠かせない。
さ はサカナ。 言うまでもなくタウリンの宝庫。 外にDHAやEPAなど素晴らしい栄養素も。
し はシイタケなどのキノコ。 各種ビタミンと植物繊維の宝庫。干すとビタミンDとうま味成分も。
い はイモ。 煮ても焼いても壊れないビタミンCとカリウムと植物繊維の宝庫。保存性にも勝る。

3つは脂肪過多。
これは朝食をパン食からご飯にするだけで決定的に変わると幕内氏が指摘。バター、ソーセージ、パンにも糖分と脂質が多いから・・・。ともかく、脂身の入ったサシを有難がっているのは物資がなかった戦前・戦中の哀しき習性。 赤味以外の肉は敬遠してゆく態度こそカッコよい。

4つは糖分過剰。
ジュース1瓶の中に、角砂糖23個分の糖分が含まれているのをご存じか。 子供には生ジュース以外は絶対に与えてはならないと幕内氏が警告。ましてコーラなどは問題外。 糖質とラードなどで育った若き母親に乳ガンと不妊が多いという事実。 筆者は、母体の不必要なダイエット減量が原因で、早産などで小さく生まれた子供がメタボになる危険性を強く指摘している。

5つは食べ過ぎ。
これについては、筆者は敢えて触れていない。触れるまでもない常識。

6つは運動不足。
2000年の日本の長寿村番付でトップは岐阜の山奥の和良村だった。 ところが町村合併によって辺地の長寿村が根こそぎ名を消した。 そして2005年の長寿市町ベスト5では、女性の場合は沖縄3市村と兵庫、長野の2町が名を連ねた。
これに対して、男性の場合は、1位 横浜・青葉区、2位 横浜・麻生区で、3位から5位はいずれも東京の三鷹市、国分寺市、練馬区。
なぜ、横浜、東京という大都市の外周区市がトップ5を占めるようになったかについては、残念ながら著者は綿密な分析を行っていない。ただ、青葉区がトップになった理由として3点を上げている。
1つは、健康な食材を選ぶ知識を、区民が持ってきていること。
2つは電車通勤などで身体を良く使い、エネルギーを正しく発散させている。つまり適宜な運動。
3つは地域の連帯性が強く、心が健康であること。

この説明では十分に納得できない。 私のホームページのリンク先のエコハウスは、青葉区だけの狭いエリアで年間30棟以上の着工実績を持っている。一度大沢社長を訪ねて、著者のとくに3の分析が正しいかどうか。あるいはそれ以外の要因によるかを確かめてみたい。






posted by uno at 10:40| Comment(2) | 書評(その他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by 時計 ウォッチ at 2013年08月05日 14:38
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Posted by 腕時計 ハミルトン at 2013年08月05日 14:38
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