2012年09月20日

さすけ 邸の現場  バルーンフレーミングと金物工法 (下)


アメリカの住宅団地で、道路や遊歩道、住宅を含めた全体を計画設計する者をランドプランナーという。
すぐれたランドプランナーは住宅設計に明るく、木質構造のことも良く知っている。
アメリカでは木質構造のことを、ウッドフレーム・コンストラクションと総称している。
このウッドフレーム・コンストラクションには、主なものとしてヘビー・テンバー (重量木構造) 、ポスト&ビーム (柱・梁構造) 、プラットフォーム (剛床構造) 、バルーンフレーム (通し柱構造) 、ログハウス (丸太小屋組) が含まれ、住宅設計士はこの5つの工法に精通している。
そして、強調したいのは、夜間高校で4年間に亘って学んでいる大工教育でも、この5つの工法の構造力学のポイントは教えており、大工と称するからには5つの工法をこなせて当たり前。

日本の在来の大工さんのように、木軸のことしか知らない大工さんは アメリカにはいない。
もっともアメリカのポスト&ビームといっても、柱・梁のすべての継ぎ手・仕口が金物で処理されている。 日本の木軸のように金物は一切使わず、芸術的な「腰掛けかま継ぎ」とか「渡りあご」仕口などというやたらと面倒な継ぎ手・仕口はない。
そして、それぞれにスパン表が用意されていて、このスパン間隔だとどれだけのセイと幅の梁が必要かは、素人でも一目で分かる。
正直なところ、私はアメリカのウッドフレーム・コンストラクションをそっくり日本へ持ってきたいと考え、故杉山英男先生に相談した。
「とんでもない」 と先生に言われた。 「日本の木軸には、大御所と呼ばれる諸先生が睨みを利かせていて、ポスト&ビームなどと言ったとたんに袋叩きにあう。諦めなさい」 と。
そして、日本へ導入されたのは5つ工法のうちの「プラットフォーム」だけ。これを当時の救仁郷住宅局長が「枠組み壁工法」と命名した。剛床構造ではなかった。

杉山先生は、プラットフォームは、「とくに2階の床剛性が大切で、大きな床開口をとってはならない」と強調されていた。 すごく当然な意見だが、プランをつくるビルダー側の人間としては困った。
アメリカの建築現場を見たことのあるすべての人は、異口同音に叫んだ。
「アメリカの住宅には大きな吹き抜け空間が、必ずと言って良いほどある・・・」。
その吹き抜け空間づくりには、206の通し柱によるバルーンフレーミングが用いられている。
そのバルーンフレーミングは導入しないと建設省も杉山先生も言う。 そうだとしたら、魅力的なプランづくりが不可能になる。
何としてでも バルーンフレームによる吹抜け空間が可能な 抜け道を用意しなければならない。
それが、当時の私に課せられた大命題。
苦悶している時、「ハッ」 と気がついた。 それは平屋の勾配屋根の妻壁。

勾配天井壁.jpg
アメリカでは勾配屋根をつくる時は、上図のように途中までは204のスタッドが1本だが、途中から2枚合わせにし、さらに高い部分の壁は204を3枚合わせて作っている。
そして、公庫の標準仕様書を作成する時、記憶が定かではないがこれに近い図を書き、「204材で可能な壁高は3.2メートルまで。 それ以上の壁が必要な場合は、図のように204の2枚合わせ、または3枚合わせにするか、206材としなければならない」 との注釈をつけ、ピンクの仕様書に書き加えた。
これが見事に奏効。 全国各地で206の通し壁による吹き抜け空間が誕生してきた。
公庫の技術職員も、確認業務に携わっていた地方公務員の技術者も、それが枠組み壁工法では認められていないバルーンフレーミングの一部であるとも知らず、公庫の仕様書に書きこまれていたのでノーマークで確認を降ろしてくれた。
こうして、北米では一般的に採用されている206の通し柱構造が、日本にも定着。
これは、日本の木質構造の普及という面から考えて、画期的なことだったと考えている。
そして、いつ頃だったかは忘れたが、改定された公庫の仕様書から「3.2メートルを越える妻壁の通し柱」 についての記述がなくなった。 無事に役目を終え、老兵は消え去った。

ハルーンフレーム.JPG

今では北米だけでなく、日本各地を歩くと206の通し壁の現場に出会う。私自身も何百戸となく建ててきた。206の通し壁は、構造的にも頑強で、安心して消費者に引き渡せる。
そして昨年の春、オーストラリア生まれのCLT (クロス・ラミネーテッド・テンバー) の17センチという壁厚の通し壁パネルが町田の玉川学園に登場した。
たった2間弱の階段室回りに、わざわざ通しパネルが使われているのを見て、嬉しくなった。
自然の住まい社がTHOMA社から直輸入している壁倍率7倍という超強靭パネル。
それが1、2階の通しパネルを採用していることで、同社に対する信頼感が一気に高まった。

P1040398.JPG

しかし、206の通し柱以外で床開口をつくる場合には、公庫の標準仕様書では非常に厳しい条件がついてくる。
外壁に接する開口部は、厳密に言うならば2.73メートル以下でなければならない。
そして、外壁上にくる端根太 (側根太が正しいのでは?) は208、210の3枚合わせにするか、408ないしは410の集成材としなければならない、とある。
つまり、206の通し柱を用いない場合は、1間半以上の床開口を設けてはいけないと言うのだ。
これは、故杉山英男先生の遺言でもある。
ただし、1998年に「性能規定化」という形で建築基準法が改正され、厳密な構造計算に基づき安全が確認されれば、公庫の仕様書に依らずに広い床開口も可能になった。
しかし、私は藤和とハーティホーム時代に、アパートも含めると延べ千数百戸のツーバィフォー住宅を建ててきたが、2.73メートル以上の床開口は全て206による通し柱方式で一貫した。
そして全ての住宅の構造図をチェックし、全ての現場を見て回って問題点の有無をチェックした。
現場を知らない構造設計屋さんに任せていたのでは、耐震面と防火面で安全な住宅を消費者に届けることが出来なかったのが現実。そのために自分を追い込んでゆかない限り 性能は保証出来なかった。

ところが、建築基準法の改正に伴って、ツーバィフォーでも工場での壁パネルの製造化が進んだ。そのことにより2つの大問題が発生してきた。
1つは、ツーバィフォーにあっては、どんな長い壁であっても、一体構造体にすべしというのが大原則。 
下の写真は「住宅革新軍団」から転写したもの。 写りが悪いが、これこそがアメリカの現場の一体壁。
大原則はきちんと守っている。

P1040481.JPG

ところが、日本では搬送の関係上 壁パネルの長さは3間まで。 そして、悪いことにT字型に内壁がくるところで外壁パネルを切断してしまう。 このため、頭つなぎで外壁を一体化出来ていない現場が出現してきた。
最初からやっている三井や地所などの経験豊かなコンポーネント工場製のパネルは安心出来たが、頭つなぎが最低3スタッド以上にわたって架かっていないインチキパネルが、基本を知らない工場から出荷され出した。 消費者は、ツーバィフォー工法は地震に強いと盲信しているが、一体化していないツーバィフォーのパネル住宅は 地震に対して非常に弱い。
スタッドを全体に38ミリ短くして、頭つなぎをダブルに入れ直すか、スタットをカットせずに3×9合板を使い、頭つなぎを余分に入れない限り 性能が保証出来ない現場を見受けた。

もう1つの問題点は、206の通し柱を使わず、206の短いスタッドの壁を重ねて、2.73メートルどころか3.64メートル、時には4.55メートルもの大きな吹き抜け空間が出現し始めてきたこと。
最初に目撃したのは、定年退職した後も現場チェックを任されていたハーティホームの現場。退職後は全ての構造図を事前にチェック出来なくなったので、412の梁を入れただけでかなりスパンを飛ばした現場が出現。これでは強い台風や大地震の水平力に耐えられない。
そこで、私なりの補強策を用意してT社長と幹部に、「補修した方がよい」 と提案した。
ところが、「構造設計事務所で計算してもらっているから 大丈夫」 と取りあってくれない。
そこで、信頼しているベテランの構造設計士に相談したら、「心配ですね」 と言うが、自分で計算をし直して解決策を用意してくれない。 つまり、仲間の仕事にケチをつける仕事は引き受けたがらない。
そこで杉山先生に相談した。 亡くなられる2年ぐらい前のことだったと思う・・・。
「最近は、コンピューターの机上計算だけで 耐震性があるとかないとか言っている構造屋さんが多いが、一番分かっているのが現場の大工さん。その壁が強いか弱いかは経験値で分かっている。206の通し柱方式の壁をクレーンで吊り上げた時の感触を100としたら、梁で分断し、合板も分断したものだと かなり低い数値になるでしょうね。ところで鵜野さんは通し柱方式を100としたら、問題のこの壁の数値はどの程度だと感じているの? 」

この杉山先生のサジェスチョンもT社長は受け入れてくれなかった。ハーティホームの現場に責任を持てなくなった私は、その日をもって顧問役を辞退した。
そんな経緯があるので、私がさすけ邸の大きな吹き抜け空間を見て 若干の疑義を持ったとしてもおかしくはない。きちんと構造計算がなされ、特殊な開口部構成だから、合板は梁に架けて張られているはず。 
いずれにしろ、タイル工事が終わった後での現場見学者には、発言権はない。

ただ、私が一条工務店に注文したいのは、金物工法を本格的に採用して 木軸とツーバィフォー工法をもっと融和してもらえないかという 希望と言うかお願い。
最初に書いたように、アメリカではウッドフレーム・コンストラクションという大枠の中で、全ての構造が融和して使われている。
ほとんどの現場で、プラットフォームとポスト&ビーム、バルーンフレーミング、そして時にはヘビー・テンバーまでをもがミックスして採用されている。ポスト&ビームが主体の素晴らしい現場も見た。
ツーバィフォーがオープンして10年くらい経ったある日、杉山先生と同じタクシーで家へ帰る時に、「アメリカのように日本もツーバィフォーと在来木軸の土俵を一緒にできないものでしょうか」と聞いた。
そしたら杉山先生は、即座に断言された。
「君が考えている在来木軸というのは、大正時代以降の羽子板ボルトとスジカイによるケチった3寸5分角の柱工法のことだろう。日本の伝統的な在来木造というのはスジカイ工法ではないの!!  伝統的な木造住宅というのは大貫工法のこと。この大貫工法と、ツーバィフォーを一緒にすることは困難ですね」 

しかし、阪神淡路大震災を契機に誕生した金物工法は、床はプラットフォーム化してきているし、外壁は構造用合板張りになってきた。ただ、足りないのは間柱を大きくして機能させるという発想。
それさえ出来れば、金物工法とツーバイフォーは限りなく近づける。
金物工法によるラーメン構造まで誕生してきている。
私を含めて何人かの仲間で考えたのは、外壁は606 (14センチ角) の柱を2間とか2.5間、あるいは3間 間隔に建てる。 206で壁パネルを組み、606の柱の間に嵌めこんでゆく。そして、206の壁から606の柱へクギを打って、緊結する。
そして、606の柱の中心から両方のパネルに渡るように現場で合板を張れば、壁は完全に一体化する。
そして212ないしは412の集成材、あるいはLVLの胴差を外壁の全外周へ回せば、マグサ材が不要になり、しかも剛金物で緊結するので通し柱がなくても かなりの広さの吹き抜け空間が可能に。
2階は406ないしは408の敷桁を四周に回せば、これまたマグサが不要になる。
内壁は204でよく、4寸柱を使って真壁らしい和室をつくってもよい。

日本の国産材にこだわるのだったら、606の柱でなく、4寸角でもよい。そのかわり、大量の38×120ミリのKD材の間柱が必要に。
構造用合板と石膏ボードの張り出しは、隅芯から455ずれた間柱芯とすれば、開口部のボードはコ型にくり抜かれ、強度が増す。端材を使う必要性は一切なくなり、震度7の直下型に出会っても開口部に亀裂が入る心配がなく、コーナービ―トが端材と共に剥がれる心配も解消される。
そして、ツーバィフォーのパネルが一体化していないという致命的な問題も解決する。

本来は、この大仕事は林野庁が中心になり、製材業者や建材問屋、金物企業が音頭をとって始めるべき。
しかし、残念ながらイノベーション力という面では あまり期待できない。
また、木材や金物関係者は、クローズドシステムで突っ走っているので、共通の土俵を用意するのは困難かもしれない。
そこで、木軸とツーバィフォーを手掛けている一条への期待。
i-cube や i-smart の開発に見せた一条のイノベーション力は、際だっている。
また、太陽光発電用の資金を、銀行ローンとは別に一条で用意し、売電で返済すると言うシステムは、他に例を見ない画期的なイノベーション。
ただし、42円という売価はいつまでも続かず30円そこそこになるだろう。当然、返却期限が延びることになるが、本来は金融機関が考え出さねばならないシステムを先取りし、実質的なゼロエネルギー・ハウスを数千戸単位で供給している実績。 いろいろ問題はあっても、この事実は高く評価すべき。

私の提案した606の柱間に206の壁を挟みこみ、胴差と敷桁で抑え、柱回りの合板だけを現場施工として一体化するシステムは、すでに北海道の何人かの仲間が経験済み。
したがって、工法として特許がとれるという性格のものではない。
しかし、現在のツーバィフォー・パネルの欠点と木軸工法の泣き所は 見事に解消している。
日本の木質構造が、実質的に数歩前進する契機になってくれることは間違いない。

中越地震での金物工法の活躍で、阪神淡路の時とは異なる兆しが見えてきたとの嬉しい報告を持って、病気見舞いに参上しようと考えていた折、膵臓癌での訃報を知らされた。
杉山先生が存命だったら、必ず喜んで賛同して頂ける内容だと信じている。
一条工務店の英断に期待したい。




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2012年09月15日

「さすけ」 邸の現場  石膏ボードに対する哲学 (中)


さすけ邸の気密性能は、隙間相当面積 (C値) で0.6cu/u。 
一条は必ずしも自社職人さんによる 「直施工」 ではないはず。だからこの数値には価値がある。
遅れた現場見学だったので、気密性能を大きく左右する配線・配管工事のコーキングとスイッチ、コンセントボックス回りの処理法を確認することが出来なかった。したがって、気密性の良い理由が奈辺にあるかは確認できていない。
いずれにしても、R-2000住宅が求めていた50パスカルでの漏気回数が1.5回 (C値では0.9cu/u) を上回り、約1.1回という数値であることは認めるべき。 大手住宅メーカーで、コンスタントにこの数値を担保しているところは現時点では皆無。 だから 「良く出来ました」 と大きな拍手を送りたい。

だからと言って問題が全然ないかとなると、そうは問屋が卸してくれない。
同社の石膏ボード工事には、どうしても納得できない点がある。
ということは、一条の石膏ボード工事が 「公庫の標準仕様書」 に違反しているのか?
そうではない。
スクリュー・クギの打ち方も丁寧で メリコミもなく、クギのピッチも適切。
公庫の標準仕様書に照らしても、何一つ問題がないように見える。
だが、アメリカのボード工やスーパーバイザーと呼ばれる現場監督が見たら、即座にダメを出し、壁に関して全面的なやり直しになることは100%請け合える。
公庫の標準仕様書から抜け落ちた部分に、大きな問題点が・・・。

一条工務店は、年内に三井ホームを抜いて、ヅーバイフォー住宅の建築戸数では日本一になるはず。
しかし、同社がツ―バイフォーに取り組んだのは4年前に i-cube を市販してから。
それから、あれよあれよという間の急成長。 
ツーバィフォー工法がオープン化したのは 38年前の1974年の8月。 
30数年も遅れてのエントリー。
それまでの一条工務店は 木軸工法一本ヤリ。 免震工法では他社を引き離していたが、高気密・高断熱ではたいした実績もなく、4年前までは技術的に見て 決して優れた会社とは言えなかった。 
むしろ、田舎向けの需要が主体で、デザインは見事なまでのダサさ・・・。

遅れてのツーバィフォー工法へのエントリーだったので、基盤が出来ていたので比較的楽だった。
ツーバィフォー工法を普及させるため、初期のメーカーやビルダーがやらねばならなかったフレーマーの研修・教育・訓練の日々。 一条はその作業が少なくて済んだ。
大工さんを含めた社員をアメリカへ派遣して研修するという経験も省けたし、フレーマー、ボード工、ドライウォール工という新しい職種の確立・育成というトライ&エラーの経験も省けた。
三和建物のように高等職訓校を設立し、アメリカの大工学校でも教えている規矩術 (きくじゅつ) という大工技能の基本を叩きこみ、チームによる高い生産性の追求技術までを教えるという難しい仕事からも解放されてきた。
それでいて、大手他社には真似の出来ないC値0.6cu/uを達成しているのだから、なんとなく現場監督がしっかりしていて、現場力が高いように想像しがち。
だが、下の写真を見ると 同社のツーバィフォーの現場力に疑問符がつく。

窓回の細いボード.JPG

これは、外部開口部の内側だが、開口部の上部と両脇に幅60ミリくらいの細い石膏ボードの端材が継ぎ足されている。

出隅の細いボード.JPG

これは内部の出隅部。コーナービートの下になって見にくいが、両側先端部分に45ミリの端材が施工されている。

正直なところ、在来の木軸業者は、大手メーカーも独り親方も、今まであまりにも石膏ボードを軽視し、バカにしてきた。
昔は、コマイを組む変わりの土壁下地材として使い、それ以降においてもクロスなどの仕上げ材のための単なる下地材としてしか扱ってこなかった。
したがって、9ミリ厚の石膏ボードに平気で鉄クギなどで打ち付け、きちんとした基準やルールもなく、適当に処理をしてきた。 木軸で、12.5ミリの石膏ボードが構造材として採用されるようになってきたのはごく最近の出来ごとで、本格的に普及しているという状態ではない。
これに対してツーバィフォーの場合は、石膏ボードは最初から耐力壁としてカウントされてきた。
公庫の仕様書を見ればわかるように、内装下地材としては石膏ボード以外の仕様は全く考えていない。25ミリ厚以下の無垢の板類を張る場合は、下地に石膏ボードを張って防火性を確保した上で化粧材として取り付けている。
ツーバィフォー工法は、内部の天井・壁には必ず石膏ボードの被覆を義務づけている。
耐震性と防火面から、どこまでも構造躯体と石膏ボード工事は一体的に考えられてきた。
それなのに、木軸の石膏ボード工事の精度が低くて所定の壁倍率を与えることが出来なかった時、ツーバィフォーと大きな格差が出るのは問題だというので、ツーバィフォーの壁倍率を下げてしまった。
実態を知らない審査員の諸先生方の無定見さに呆れてしまうが、それよりも厳重な抗議が出来なかったツーバィフォー協会側の論理の欠如と弱腰を責めるべき。

38年前に出版された公庫の最初の「ピンクの標準仕様書」 には、「廊下に設ける内部のドアの壁であっても、必ず一枚の石膏ボードからドア部分をくり抜き両サイドの壁を一体処理し、細い端材で処理をしてはダメ」 という内容の項目があった。 (いや、あったはず。原案を書いた本人には確かな記憶がある。しかし、ピンクの仕様書はとっくに無くなっているし、一緒に標準仕様書づくりに加わった水谷、山田氏らの諸氏も第一線を退いているので確かめようがない。そして、共通仕様書は何回かの改定版を重ねている間に、この項目が抜け落ちてしまった・・・)
何故こんな項目を、わざわざ38年前の標準仕様書に書いたのか?

当時、新大久保駅前にあった建研の庭で行ったアメリカの3人の大工さんによる建て方実演。これでツーバィフォー工法の建て方の生産性の高さが分かった。だが、建て方以外の生産性が分からない。
このため、全工事の作業内容と生産性を調査するため、ホームビルダー協会は1ヶ月に及ぶ調査団をアメリカの西海岸へ派遣した。その調査によって、石膏ボードを中心にするドライウォール工法というすごい内装仕上げ工事がアメリカにあることを発見。
このドライウォール工事を日本へ紹介するため、プロのカメラマンから本格的な35ミリ撮影の特訓を受け、撮影機材を借りて石膏ボード工事とドライウォール仕上げ工事の映像を撮ってきた。
それを、「新しい内装仕上げ・ドライウォール工法」 という20分間の短編映画に仕上げた。

この時、アメリカで流行していたのは4尺×14尺という長尺ボード。 この14尺の長尺物は、天井面の施工に用いられていた。2人のチームで ヘルメットを被った頭でボードを抑えて施工する。
何故4×14尺という長尺物かというと、長尺物であればあるほど石膏ボードの強度が出る。 また、目地が少なければ少ないほど目地処理の手間が省ける。
つまり、ドライウォール工事の工数が省ける。
ただし、壁は一人チームのボード工が4×8尺の石膏ボードを横張りしていた。一人では14尺のボードは重くて持ち上げられない。
また、天井面と違って、壁面にはコンセントやスイッチボックスなど 穴を空ける個所が多い。長尺物を振り回していたのでは、穴空け作業が困難。 このため8尺物を採用。
しかし、8尺物だと、どうしても部分的に小幅なボードを使う必要が出てくる。その場合でも最低2スタッド間隔分、つまり32インチ (約810ミリ) の幅を確保するようにしていた。
ましてやドアやサッシ脇で、細片のボードを継ぎ足すようなことは絶対にやらない。 細いボードを継ぎ足すと、必ずと言ってよいほどその目地部分からクラックが入り、クレームが発生する・・・。
「中途半端な広さの空間を施工する時でも、石膏ボードはスタッドの幅、つまり最低でも16インチ (約400ミリ) 以下のものは使ってはならない。出来れば2スタッド以上に架けること。これが石膏ボード張り工事の鉄則だ !」 と、アメリカの現場監督の親分であるスーパーインテンデントが きっぱりとした口調で教えてくれた。

このアメリカのスーパーインテンデットの教えを腹の底から実感させられたのが、8年前に発生した新潟の中越地震。私は都合4回 激震地・川口町を訪れた。
その震度6強の十日町と震度7の激震地・川口町からの報告を、2004年の11月1週から2005年の1月4週まで、12回に亘ってブログに書いている。
その中で、ツーバィフォー工法と軸組工法との石膏ボード被害状況比較を、2004年の12月4週の「新潟中越地震 (8) 」に書いている。読まれた方も多いと思うが、参考にして頂きたい。

私が訪れた現場は、いずれも4寸柱と5寸柱による金物工法の木軸によるスーパーウォールの現場。
強調したかったのは激震地・川口町の中でも「超」激震地に建てられていた2棟に、倒壊がなかったこと。
とくに、豪雪地で1階はコンクリートの高床になっているが、この高床にほとんど被害がなかった。
この金物工法というのは、阪神淡路の直下型大震災で木軸が惨状を呈したことへの猛反省のもとに開発されたもの。
木軸工法の通し柱が、あっという間に折れて2階建ての1階がペシャンと潰れ、1階で寝ていた数千人の人命を瞬時に奪ってしまった。 原因は、細い通し柱にやたらと深いミゾを掘ったがため。 
ホゾ・ミゾ構造では、4寸以下の細い通し柱だと胴差しの部分で簡単に折れるという木軸工法の最大欠点を 見事なまでに実証したのが神戸の大震災。
この通し柱が簡単に折れないようにと開発されたのが、世界に誇って良い木軸金物工法。
この木軸金物工法の外壁に断熱材付きの構造用合板を3尺間隔の柱に取り付けたのが、「スーパーウォール・木軸版」。 このほかに455ピッチの204スタッド材の外側に構造用合板を張った「スーパーウォール・ツーバィフォー版」 と、206のスタッドの外側に構造用合板を張り、当時は北海道だけで限定販売していた「スーパー・シェル」があった。
だが、私が激震地・川口町と十日町で目撃したのは、「スーパーウォール・木軸版」 だけ。「スーパーウォール・ツーバィフォー版」 の被災状況は直接見てはいない。
しかし、多くの人々の目撃情報から、スーパーウォール・ツーバィフォー版だと開口部周りの石膏ボードに亀裂が生じていないのに、スーパーウォール・木軸版では亀裂が入ったという事実・・・。
また、震度6強の十日町では、内部の出隅の部分に打ちつけてあった細い45ミリの石膏ボードの端材が、激しい揺れでクロスやコーナービートとともに剥がれ落ちている現場を2ヶ所で見た。

軸と2x4の割付図.jpg

上図のように、木軸金物工法では3尺間隔に柱を入れる。間柱は幅1寸 (30ミリ) 以下の8〜9分という細い材が多く使われていて、クギを打っても構造的にはほとんど効かない。合板は、どこまでも柱と柱に渡して固定される。
そして、開口部上部はマグサ下端で、下はサッシ受け台の上端で合板がカットされる。そして、柱の上の合板の隙間は端材の合板で埋める。
もちろん、石膏ボードも同じことで、柱と柱で止め、間柱はズレ止め程度の役割しか果たしていない。
たしかに、あの2500ガルという直下型震度7の川口町でも、金物+構造用合板のスーパーウォールは倒壊を免れた。しかし、2階の木造の内部の石膏ボードの開口部周りには、クラックが見られた。
開口部の4隅部分は、合板と石膏ボードとも縁が切れており、端材を打ちつけている部分がネックだということが明らかに !!
だが、こうした現場を訪ねた建築関係の学者は皆無だったし、業界人もその実態を知っていない。

これに対してツーバィフォー工法の場合、アメリカでは4×8構造用合板の横張り。途中のスタッド芯から張り出して、出隅の余分な部分は350ミリほどカットする。 そして、開口部分の合板をくり抜けば一体壁となる。
石膏ボードは外壁の場合は入隅になるから、端から張り出してよい。
だが、3×8版とか3×9版をタテ使いしている日本では、隅から455離れたスタッド芯から構造用合板を張り出す。 このことは、公庫の標準仕様書に図で明示されている。
そして、開口部は合板をコ型にくり抜く図も 明確に書かれている。
4×8合板を横使いする場合は、千鳥張りにすることも図で示されている。
そしてこれは、何も合板だけに限った話ではない。
当然、石膏ボードも隅から455ミリ入ったスタッドの芯から張り出す。
内部出隅部も同じで455ミリ入ったスタッド芯から張り出し、出隅部は3尺物を必要な長さでカットし、45ミリの端材を継ぎ足すなどというケチな発想は、最初から皆無。
また、開口部はコ型に石膏ボードをくり抜き、45ミリとか60ミリの端材を開口部周りに打ちつけるという発想はどこにも見当たらない。 
ただ、先に示した「3尺幅の廊下に設けたドアの場合でも、細い端材を使うのはダメ」 との書き込みが途中で標準仕様書から消えた。
代わりに、「石膏ボードの割付けは構造用合板に準じ、開口部周辺では細い端材を継ぎ足してはならない」 との書き込みがされておれば、一条のような大きなチョンボの発生は防げたであろう。

このように公庫の標準仕様書に明記されていない以上、消費者が石膏ボードの端材が使われているのを見て、「これは瑕疵物件である」と異議を申し立てても、おそらく裁判所は受け付けてくれないだろうと考えられる。
公庫の仕様書に明示された文章がない以上、瑕疵物件だと判定できかねるから・・・。
むしろ、日本人特有の「もったいない」という精神から、端材を捨てないで活用した との善意にとることも出来る。 しかし、これはポリシーの問題。
「端材を活用するより、クレームを排除することこそ消費者のためになる」 という哲学の問題。

そして、文章での書き込みはないが、公庫の標準仕様書のコーナービートの施工図を見ると、石膏ボードがコ型に欠きこまれているし、石膏ボードのクギ打ち図を見ても、455ミリ離れた位置から石膏ボードが張り出されていることが読み取れる。
判じ物のようだが、分かっている者には十二分に意味が伝わる。
しかし私は、一条工務店の肩を持つわけではないが、公庫の標準仕様書の石膏ボード張りに対する記述が途中から判じ物の世界に陥れてしまった方に、より大きな責任があると考える。

ツーバィフォーの建設戸数で三井ホームを追いぬいてトップになろうとしている一条工務店。
それだけに、「遅れたエントリーだったので、過去の経緯やアメリカの動向は知りませんでした」 では許されないと思う。
これを機会に、トップ企業としての矜持を持ってツーバィフォー工法を再勉強してもらいたい。と同時に木軸工法で構造的に問題が多い間柱に対して、徹底的なイノベーションを加えていただきたいと心から希望したい。
その具体的問題は、バルーンフレーミング問題とともに 次回に詳報。






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2012年09月10日

完成間際の 「さすけ」 邸 i-smart の現場を拝見 (上)


今、住宅関係で、もっとも賑わっているネットをご存じか?
それは「さすけ」というハンドルネームのブログ。
なんと最近では多い日には5000件、少ない日でも2000件のアクセスがあるというからすごい。

http://ameblo.jp/ismart/entrylist.html

これを開いて、最新の「もうすぐ大工工事完了!」や「設備設置中」 を開くと、外観や内装、設備などの写真を自在に見ることが出来る。
書き込みは2011年の6月15日に始まり、これまでに約450日の間に 延べ175回の書き込みがあった。およそ2.5日に1度の割合という勘定。
この間、プラン作りからはじまり、ローン、契約、坪単価、タイル、夢発電、防蟻処理の問題など、都度深い洞察力での書き込みが、多くの消費者の琴線に触れて、アクセスを呼んできている。

したがって、今さらながら一条のi-smart の性能とか、仕様などに触れようとは考えない。
上記のブログを読んで頂くとほとんどの問題点は議論されている。
換気などについて、若干触れたい気はするが、それは別の機会に譲ろう。
私が「さすけ邸」の現場を拝見して特に気になった点が4点ある。
1つは、完成後の各種の測定のために、やたらと配線工事が多いこと。

CD管.JPG

上の写真を見ていただきたい。何10本ものCD管の中に細い配線が詰め込まれている。延べ41坪程度の住宅で、100ヶ所以上で測定を行う計画だという。
私も何戸のかの住宅で、メーカーなどに頼んでいろんなデータを取ってもらったが、いずれもセントラル空調換気の家なので温湿度ムラがほとんどない。
つまり、温度と湿度に関しては完全にバリアフリー。
このため、多くても7〜8ヶ所に測定器をつけた経験しかない。
それよりも、1ヶ所でもいいから長期間に亘ってデータをとった方が、実質的な効果が多かった。
以前、ネットフォーラム欄とこの欄で紹介した hiro 工博の数年間におよぶ室内外の温湿度差をコンピューターで一覧出来るようにしたデータと、各用途別の電気の使用量の推移表。
これだけで必要情報は網羅されており、非常に参考になった。
ともかく、さすけ邸では、それ以上の精密なデータをとろうという計画。
普通の人はそこまではやらない。
そこで、こっそり さすけさんに勤務先を聞いてみた。
予想した通り国立の大きな研究所勤務で、工学博士。
なぜそこまで精密なデータを取ろうと考えたかと言うと、一般の消費者にデータ取りを頼んでも、せいぜい協力してもらえるのが1年だけ。
2〜3年の協力をお願いすると軒並みに断られる。
そこで、所員の何人かが住宅を建てる適齢期を迎えているので、自分たちで理想の快適・省エネ住宅を建て、継続的にデータをとることにしたのだという。
とりあえずは自分の趣味としてデータを取ることにしており、嵩んだ配線費用はどこまでも自己負担というから泣かせる。
痛く同意するとともに、感心させられた。

今から22年前、カナダ政府と日本政府の後援でツーバィフォー協会がR-2000住宅を国家事業として取組んだ時、当時の建設省や建研をはじめ、各大学は積極的に協力してくれた。
しかし、自分の家をR-2000住宅並みの高性能住宅にしようと考えた個人は 建設省にも建研にも、学者先生にも、ダイキンの中にも居なかった。
しかし、それは運動を推進していた私たち地場業者の側にも問題があった。大手住宅メーカーが 気密性が担保出来ないので去って行ったあと、地場の中堅メーカーで全国の需要を受け入れる体制がつくれなかったから・・・。対応出来る地場が、北海道、岩手、仙台、福島、栃木、千葉、埼玉、東京、横浜、群馬に限られていて、中部や関西方面は弱かった。

そうした背景の中で、唯一大学教授でR-2000住宅なみの高性能住宅の建築に踏み切ったのが千葉工大の小峯先生だけ。体験を踏まえた小峯先生の話は内容が重く、大変に教えられるものがあった。 
残念ながら他の研究者はどこまでも机上論。 
カナダとの7回にもおよぶR&D会議で、いつもカナダ側の具体論に対して日本側の発表は実験室での実験段階の域を出ず、実践活動を行っている者からは、意識のすれ違いをヒシヒシと感じさせられた。
その机上論の延長線上に出されてきているのがLCCM住宅であり、HEMS。
それに対して、さすけさん達のグループが目指しているものこそ、私は本物だと思う。
出来る限り協力して行きたいと考えます。

気になった2つ目は、最近のトステムやYKKのサッシを見ればわかるように、枠の見付け寸法が非常に小さくなってきていること。
これは、アルミサッシやアルブラサッシは枠の性能が低く、枠の見付け寸法を出来るだけ小さくしてダブルやトリプルのガラスの面積を大きくした方が、サッシとしてのU値 (熱貫流率) が向上出来ることが最大の理由。
ところが、このサッシメーカー戦略の影響を受けて、サッシの枠だけではなく、ドア枠や幅木、さらには階段室のササラ桁まで薄く細くした方が、モダンでカッコイイという風潮になっている。
建築のデザイン屋さんが、機能を放棄して見た眼の薄さ、スッキリさに走っている。
これは、決して喜ぶべき現象ではない。 
非常に問題点の多い現象だと思うのだが・・・。

なぜなら、ウッドサッシの場合は、断熱性能と耐震・耐火強度を上げるにはある程度見付け面積を大きくし、ケーシング枠で周りを囲まない限り納まってくれない。 このため、ウッドサッシはメタボでダサイという風評が 一部の建築屋から出されてきている。
何回かの火災現場の跡地調査や防火実験に立ち合って、私はアルミサッシ枠やアルブラ枠、樹脂枠よりも、ごっついウッドサッシ枠の方がはるかに防火性能に優れている事実を目撃している。
少しぐらいカッコ悪くても、アルミクラッドされたウッドサッシを採用することが、直下型震度7の地震が予想されている東京では、防火対策から考えて絶対的条件だと信じている。
よほど敷地に余裕がある場合と過疎地以外では、この考えを捨ててモダンと呼ばれる薄さに走る愚は避けたいと願っている。 
この考えが、どこまで消費者に納得いただけるかどうか・・・。

そして、さすけ邸では高さが1200程度のサッシの前板までもが薄くて貧弱な形状に変わっていた。
前板は、時には小さな花瓶などが載せられる余裕のある存在だった。その前板の余裕のある機能が放棄されてタテ枠よりも短くなっていたのには、うら寂しい。
長期間の使用では、必ず問題が発生してくると思う。 しかし、当面は使い勝手よりも見た目のデザイン、スッキリ感が最優先されたのだろう。

このサッシの見付け面積の薄さが、最近は内部のドア枠や幅木、階段室のササラ桁にまで影響を及ぼしてきている。

ケーシングなし.JPG

上の写真は、玄関と台所との堺にある壁。
壁上部に、1階での唯一のクーラーのドレーン管が見えている。 
2×4の壁を2重に組んで、各種の機器の司令塔と小物置場になっているのは、なかなかのアイデェアであり、細工。
そして、ドア枠はどこまでも薄い。
小さな戸当たり部分に、ゴム系のパッキングがついているのはさすがだが、こんな薄い枠では反ったり狂ったりするのではないかと心配になった。

枠の欠きこみ.JPG

しかし、心配はご無用。
枠の厚みは正確に計ったわけではないが20ミリ程度はあり、石膏ボードが回る範囲が上の写真のように欠きこみがしてある。
10ミリ程度の薄い枠に見えるが、欠きこみで細く見えるだけで、実際には20ミリ以上はある。
しかし、10ミリ程度の見えがかり枠だから、今までのようにトメ加工をするわけにはゆかない。上下枠の出を少し短くした突きつけ方式を採用。
これだと、冬期の過乾燥でも、ケーシングのトメ部分の離れが目立たず、クレームになることが避けられるという配慮によるのだろう。
しかし、アメリカでは、ケーシング付き枠付き内部ドアの施工は、一人前の造作大工だと、誰がやってもヶ所当たり3分間しかかかっていない。
何回タイムスタディをやっても、10ヶ所のドアを1人の造作大工さんが30分間でこなしている。

それなのに、ケーシングを排除したこの薄さ万能主義の横行は、大工さんの仕事を難しくし、現場作業量を大幅に増やして生産性を落としている。石膏ボードを薄い枠ぴったりに加工する作業は、ことのほか難しく、時間がかかるはず。 誰か、タイムスタディをやってくれませんか!?
古い人間と笑われるかも知れないが、私は欧米のケーシング付きの枠にこだわりたい。
それが嫌な人は、買ってもらわなくても良いと思うのだが、甘すぎる判断だろうか・・・。

細いササラと幅木.JPG

ササラ桁と幅木も薄くなった。
ササラは今までは30ミリはあった。それが20ミリ程度になっている。
芯々910ミリだとこれでも良いが、階段室は1200ミリを求める消費者も多い。
その場合は、どう対処するのだろうか?
また、幅木はもともと薄かった。
裏に反りをふせぐために欠け込みがはいっていたが、それでも10ミリ程度だったろうか。
そして、高級住宅だとセイの大きなものを採用した。
幅木と回縁は豪華な木の造作材を求めたのは昔の話。
今は、木を隠す方がカッコ良いと考える若手が増えてきた。
鉄骨プレハブとマンションの薄くて短い幅木で、名刺が1枚入るだけの隙が空いているものが良いとものだという価値観に毒されてきている。

幅木の入隅.JPG

厚さがせいぜい6〜7ミリ。高さが50ミリ程度。
これでは出隅、入隅をトメ加工で納めると、冬期はクレームの続発となる。
そこで、プラスチックの部材が開発され、マンション住まいの人間には何の抵抗感もなく受け入れられている。
「スマートでカッコいいじゃん」と。
しかし、欧米の木造住宅を見慣れてきた者にとっては、「文化として許してよいのか!?」 と野暮なことを言いたくなる。
しかし、ほとんどがマンション育ちの世代。
ことさら「木の文化」 などと騒ぐ方が、日本ではおかしいのだろう。





posted by uno at 05:52| Comment(0) | ゼロエネルギーハウス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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